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EV化でCO2排出は7割減る

Japan In-depth / 2020年12月23日 23時0分

同じ車で同じ距離を走らせるとどうなるか?





EVは6割の燃料で走る。仮に36馬力で1時間走るとしよう。EVはガソリン6リットル分の電力で走る。対してガソリン車は燃料を10リットルを必要とする。





この場合はCO2排出量も6割となる。同一燃料で6割ならCO2量も6割である。





▲図 計算式



■ LNGにするとCO2は3割減る





第2は燃料の有利である。





火力発電所が使う天然ガスはCO2をあまり出さない。ガソリンと比較すれば7割である。





この点でも火力発電とEVの組み合わせはガソリン車に優越する。第1で述べた熱効率を加味するとCO2排出は4割、42%となる。





もちろん火力発電の燃料は天然ガスだけではない。日本には石炭火力も残っている。これはCO2を大量に排出する。





ただ2030年代には、ほぼ天然ガスとなる。





石炭火力は整理で終わらず廃止まで進むからだ。これは本旨であるCO2排出問題の影響だ。今のガソリン車を廃止する流れの先にはそれがある。





また天然ガスの大量供給もそれを支える。世界中でガス田の新規開発は進んでいる。ロシアだけでも大型案件は7件ある。*4 石炭を置き換える天然ガスは充分に供給されるのである。





■ 太陽光ほかが1/4を超える





第3は再エネ普及である。EVは太陽光、風力といったCO2を出さない発電の恩恵を受ける。





再エネは30年代には電源構成の1/4を超える。政府計画では「2030年度の導入水準(22~24%)」である。*5 30年以降の伸びも考慮すれば25%は超える。また「30年には27%に達する」といった推測もある。*6





これもEVによるC02削減効果を後押しする。電力のうち75%は再エネとなる。つまり電力1kWhあたりのCO2排出量も75%となる。





第1、第2の効果を加味するとCO2排出量はガソリン車の3割、31.5%となる。





なお、実際には自家発電による利益も受ける。





今後はFIT期限切れの設備が増える。固定価格での買取期間は20年だ。つまり2010年代の設備は30年代には期間満了となる。





以降には特に家庭太陽光の電力はEV充電に回される。FIT終了後の売電価格は買電価格を下回る。安値で電力を売って高値でEV充電電力を買うのは無駄となる。





その規模は読めない。ただ、これもEVによるCO2排出を減らす方向に作用する。





▲写真 今後は日本では家庭用太陽光からのEV充電が急増する。FIT買取満期以降で最も効果的な利用法だからだ。写真は米国の太陽光住宅。 出典:Gray Watson CC BY-SA 3.0



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