「夫婦別姓、子どもの氏の安定が大事」前総務大臣高市早苗衆議院議員
Japan In-depth / 2020年12月25日 7時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年12月19日放送
Japan In-depth編集部(高橋十詠)
【まとめ】
・高市早苗氏、「婚姻前の氏を通称使用できる環境を整えるべき」
・選択的夫婦別姓制度により、子供の氏の不安定性が招くリスクもあり。
・これからの日本、「世帯」という単位が変化していくか。
菅政権になり、選択的夫婦別姓制度が再び話題によく上がっている。現在、内閣ではどのような動きがあるのだろうか。衆議院議員で前総務大臣の高市早苗氏をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。
高市氏は12月1日、「ファミリーネーム」は維持した上で職場や社会生活においては「婚姻前の氏」を通称として使用できる環境を整えるべきであるという立場から、『婚姻前の氏の通称使用に関する法律案』を提出した。菅内閣での男女共同参画基本計画策定でも、「選択的夫婦別姓を入れるか入れないか」について、賛成派と反対派で見解が分かれ、激しい議論があったそうだ。
高市氏によると、既にマイナンバーカードや住民票、免許証、印鑑証明証では氏の併記が可能である。しかし、そもそも旧姓が使えないとは何が不便なのだろうか。
細川氏は、役所に入館する際、公的な通称の証明がなかったためその都度戸籍名で入館していたという自身の経験を例に挙げた。たとえば、フリーランスは、社員証などを持たないため、通称の証明となるものがなく、困る場面が多いという。また、事業継承する女性が結婚で名前が変わることで面倒なことがある点や、一人っ子や姉妹など女性しかいない場合で、どうしても家の名前を残したい時などを挙げ、現時点でも別姓制度があれば有難いと思う人が増えていることを指摘し、高市氏の考えを聞いた。
これに対し高市氏は、これまで出てきた法律案を通し、子どもが何人生まれても氏は父か母のどちらかに統一することになっていることを説明した。最新の内閣調査でも、「子ども同士の姓は同じにすべきである」という意見が58.3%であり、どちらにせよどちらかの家名は一代で絶えてしまう現状を述べた。
ただ、事業承継などについては、高市氏の案が通れば「国、地方、公共団体、あらゆる公私の団体に義務付けをするものだから、きっちりと旧姓で承継ができるということになる」と述べた。
▲写真 Ⓒ細川珠生事務所
つづいて細川氏は、別姓制度について議論する際、「家というものをどう考えるか」という本質的な問題に突き当ることを指摘し、つまり「家」にこだわらない考えの人も出ていることを指摘した。日本では、様々な制度が世帯、家を単位につくられている中で、それに関する議論が活発になっていくのか、それとも現状維持となるのか、高市氏の見解を聞いた。
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