地方拠点強化税制拡充で一極集中の解決を【菅政権に問う】その8
Japan In-depth / 2020年12月25日 16時36分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
・第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」改訂明らかに。
・「地方拠点強化税制について地方創生推進交付金との連携を含め活用を推進」と明記。
・地方活力向上地域等特定業務施設整備計画の認定手続き簡素化等検討したらどうか。
新型コロナウィルス問題は深刻化している。イギリスでは、変種も現れたということで大騒ぎになっている。
12月18日のまち・ひと・しごと創生会議で菅首相が「新型コロナウイルスを機に地方への関心が高まっている。東京一極集中の是正につなげ」と発言した。第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂も明らかになった。
■難しい一極集中是正
おさらいになるが各種データを見ても、東京への富の一極集中はすさまじい。
▲図 【出典】筆者作成
首都圏は人口も日本全国の30%を占めている。通勤電車の混雑ぶりは相変わらずで、主要31区間ピーク時の平均の混雑率は163%である。
主要都市圏のGDPが各国全体のGDPに占める割合はなんと33.1%、さらに企業で見ると、フォーチュン・グローバル500都市別グローバル企業本社所在数占有率(東京都)は73.1%である。
経済面では、都市集中によるメリットはもちろんあるのはわかる。情報の集積は移動の時間を削減し、結果、効率的になる。人々のストレスは過大であり、それを犠牲にしても、東京に集中するのも仕方のないことかもしれない。
しかし、日本全体のバランスが失われている状態ともいえる。関東に地震があったらその時、政治と経済と文化の中心が機能停止になってしまうという脆弱性リスクがある。
とはいえ、なかなか一極集中是正は難しい。第一に、中央集権的な政治構造が確立していること。第二に、経済。東京にカネと情報が集まるというビジネス上で前提としているため、行動を変えることが大変である。大企業の本社はもちろん、業界団体の本部もメディアも東京である。
第三に、人々にとって東京に住む魅力は多い。いくら地方自治体が地方創生を進めようが、首都圏の仕事やキャリアのチャンスを見ると勝てるわけがない。筆者も内閣府の地方創生にかかわって、その難しさを感じた。
■地方拠点強化税制を徹底的に!
結局は、企業をいかにして分散させるかが大事になる。これまで、地方拠点強化税制といって、23区から地方に企業が本社を移転することを誘導する政策を政府は進めてきた。本社を東京から移転する企業に対する税制優遇である。
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