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米議会、大統領選不正なお追求

Japan In-depth / 2020年12月25日 23時19分

米議会、大統領選不正なお追求




古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・トランプ氏、激戦州の投票や集計に大規模な不正があったと主張。





・上院国土安全保障・政府問題委員会、「大統領選挙の不正を調査する」という公聴会開催。





・議会にも今回の選挙に不正があり、調査せねばならないとの認識あり。









アメリカの大統領選は民主党候補のジョセフ・バイデン前副大統領の勝利が確定しつつある一方、なお共和党のドナルド・トランプ大統領の陣営は選挙戦での不正の追及を止めていない。





この追及が同大統領自身とその少数の支持者だけが進めるのならば、事態は深刻とはいえないが、連邦議会の上院でも今回の選挙に不正があったと断じる共和党議員たちの声が多いことは注視しておくべきである。たとえバイデン政権の登場となってもなお立法府からの大統領選自体への疑問の声はアメリカの国政全体を揺るがすことともなりうるからだ。





アメリカ大統領選の開票集計は各州で着々と進み、バイデン氏の優位の構図がほぼ公式に固まってきた。手続きとしてはあとは来年1月6日の連邦議会での各州選挙人の大統領任命の確認を残すだけとなった。その選挙人の獲得数は全体の538人のうちバイデン氏が306人、トランプ氏が232人とされている。





しかしトランプ氏は両候補の得票数が僅差となった激戦州での投票や集計に大規模な不正があったと主張して、全体の結果を認めていない。トランプ大統領の側近で経済政策担当の補佐官ピーター・ナバロ氏は12月中旬、今回の選挙では激戦の6州で民主党側の不正が確実にあったとする調査報告書を公表した。





だが意外と知られていないのは連邦議会での同様の動きである。その代表的な実例は12月16日に上院の国土安全保障・政府問題委員会が開いた公聴会だった。この公聴会のタイトルは明確に「2020年大統領選挙の不正を調査する」と題されていた。





いまの時点での上院は共和党が多数を占めている。この有力委員会もそのメンバーは共和党が8議員、民主党が6議員となっている。委員長も共和党議員である。だから共和党側がトランプ大統領に同調して、バイデン陣営の不正を指摘することも、ある意味では自然だといえる。





だがその一方、立法府の議会のメンバーが行政府の長の大統領の選挙にかかわる義務はとくにない。あくまでも自分の意思での関与である。この公聴会ではその共和党側の議員たちがみな一致して、「今回の選挙には不正があった」という立場を表明したのだ。





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