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日・仏学力レベル比較【2021年を占う!】教育

Japan In-depth / 2020年12月27日 7時0分

理由としては、小学校の教師は文系出身が多く、理数系を教えるための十分な教育を受けてないことが挙げられている。そこで、2018年からジャン=ミシェル・ブランケール国民教育大臣の指揮のもと、教員に対する教育を増やすなど改善を行ってきているが、結果がでるまでにはまだまだ時間がかかるだろう。





■ 日本の数学・科学のレベルは全体的に上昇





一方、日本を見ると、真逆のことが起きていることがわかる。ここ最近は日本の子供たちのレベルが下がり、シンガポール、台湾、韓国に追い抜かれたとばかり取りざたされていた日本であるが、今回のTIMMSの結果は、日本の子供たちの基礎学力が再上昇していることを示している。





中学生の数学の成績推移のみを見れば、今回、高成績のグループ625点以上と550点以上の割合が増加しており、同時に学力が低いグループである400点未満と475点未満の割合が減少しているのだ。ようするに、全体のレベルが確実に上がってきているといえる。これは2011年に「脱ゆとり教育」が始まり、各教育機関が力を入れてきた成果でもあろう。





▲表 引用元:国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2019)のポイント 



その内訳を上位の国別にみてみると、日本は他の国に比べて特別とびぬけた625点以上の生徒は多くないかもしれないが、特別悪い400点未満の生徒が少なく、全体的にできるので平均値が高いことがわかる。一方、トップを行くシンガポールや台湾は、特別とびぬけた625点以上の生徒が多いことで平均値を上げていることがわかる。要するに、日本は、他国に比べて成績の低い生徒が少なく、極端な成績の格差がほとんどない状態なのだ。





▲表 引用元:国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2019)のポイント



■ ただし英語がまだまだ





日本を特徴づける教科でもある数学・理科が向上しているのは喜ばしいことだが、ただし、英語はそうはいかないようだ。同じく12月に発表された世界最大の英語能力指数ランキングEF EPIによれは、日本は100か国中、55位にランキングされており「低い」レベルのクループに入っている。





一方で、ヨーロッパでは英語のレベルはかなり低いとされているフランスは、国際的には28位であり「高い」レベルのグループに入っているのだ。





地理的要因をはじめ、ヨーロッパ諸国の言語とは違い英語に比較的遠い言語である日本語は、まずスタートラインが違うとしても、今後は改善していく余地は大きい。全員に対して徹底的に英語教育する必要もないが、戦略に応じて、適した人材に対して海外のマーケットに対応するための教育を積極的に行う必要があるのは明白だ。





▲写真 日本の小学校の教室。 出典:flickr; ajari



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