米新政権の対ベネズエラ、キューバ政策に注目【2021年を占う!】中南米
Japan In-depth / 2020年12月30日 23時0分
もう一つの中南米の大国メキシコと米国の関係は、「国境の壁」建設を含めトランプ政権の強硬な移民対策の撤回をバイデン氏が表明していることから、基本的には安定化する見通しだ。一方、南米の主要3カ国で予定される大統領選も注目される。2月7日にエクアドルで、モレノ大統領の任期切れに伴う大統領選がある。若手エコノミスト、保守系の有力実業家、先住民出身政治家の三つ巴の戦いになりそう。
▲写真 「国境の壁」建設現場 出典:The White House
4月11日には、政治混乱が続くペルーで大統領選が予定される。同国では新型コロナによる経済の悪化が拡大したにもかかわらず、大統領がころころと変わるという異常事態が発生。今度の大統領選には元大統領や元国会議員など20人が出馬を表明している。
現地のメディアによれば、元サッカー選手の若手政治家が支持率でトップに立っており、政治不信が深まる中、清新な政治家を求める傾向が強まっている。
チリでは11月21日に大統領選が実施されるが、まだ、どのような人物が有力候補として出馬するかは不透明。11月には中米のニカラグアとホンジュラスでも大統領選が予定される。ペルーの名門カトリカ大の政治学者は「今度の中南米の選挙ではポピュリスト(大衆迎合主義者)もしくは社会主義的傾向の強い政治家が、新型コロナで大きな打撃を受けた低中所得者層の支持を得て躍進する可能性が強い」と指摘する。
実際、新型コロナの影響で中南米経済は大きなダメージを受けており、国連のラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は2020年の同地域全体の国内総生産(GDP)成長率についてマイナス7・7%と推計、域内の貧困層が4500万人増加すると予測している。中南米各国にとって経済の再建が2021年の最重要課題になるのは間違いない。
(了)
トップ写真:マドゥロ大統領 出典:Flickr; Presidencia El Salvador
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