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仏で「近親相姦」告発本出版

Japan In-depth / 2021年1月25日 20時49分

また、ブリジット大統領夫人も出演したテレビ番組で「こういった勇気のある告発は黙認されてはいけない」と発言。その後、マクロン大統領も「勇気に感謝する」とツイッターに動画でコメントし、この告発は正式に受け止められることとなった。





▲写真 マルレーヌ・シアパ元男女平等担当副大臣(左)とブリジット・マクロン大統領夫人(右) 出典:Aurelien Meunier/Getty Images



カミーユ・クシュネル氏によって発表された書籍はすでに30万部以上印刷されており、出版後、告発されたオリビエ・デュハメル氏は、1週間もたたずに全ての職を解任された。





■ 以前からあった、未成年に対する性的暴行





フランスの未成年に対する性的暴行問題は、近年出てきた問題ではない。以前よりあったものが最近になりようやく表面化するようになっただけだ。未成年に対する性的暴行問題の一つであるカトリックの聖職者による問題は、近年になって次々と報告されたことも記憶に新しい。





フランス・カトリックの調査によると、被害を受けた、または目撃したとする通報が17か月間で6500件寄せられ、その被害者の90%が未成年であり、約94%は2010年以前に起こったことであった。





長年タブー扱いされてきた未成年に対する性的暴行であるが、実は、実際起こるのは家庭外よりも家庭内の方が多いと言われており、四分の三は身内により引き起こされていると推測されている。しかし身内による犯罪になると、なおさら口を固く閉ざす被害者が多くなり、実態が分かりにくいのが実情だ。





フランスで初めてテレビなどメディアに、顔にモザイクをかけないで近親相関の被害者が登場したのは1986年のことだった。当時44歳だったエヴァ・トーマさんは、テレビや雑誌に15歳の時に父親にされた性的虐待を告発した。しかし、そこで返ってくる反応は耐え難いものであった。





出演した番組内では、視聴者からの手紙が読み上げられた。手紙にはこう記されていたのである。「私は養子に迎えた娘を愛しています。家族も容認しています。みんな納得しているのです。なぜその絆を壊そうとするのですか。」「私は13歳の娘と毎日の関係を持っています。あなたは、なぜ人々が幸せになるのを妨げようとするのですか。」告発することで、共感や、同情の言葉が返ってくると思いきや、今では考えられないぐらいに容赦なくエヴァさんを非難する言葉が投げつけられたのだ。





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