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人権活動家、バイデン政権不安視

Japan In-depth / 2021年1月29日 23時0分

人権活動家、バイデン政権不安視





古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・アジアの民主主義擁護派バイデンを不安視とNYタイムズ報道。





・新政権は香港、ウイグルなどの人権抑圧について中国と対決しないだろうと予測。





・アジアの当事者のトランプ政権への賛同や賞賛の言葉を否定することはできない。









 アメリカ大統領の交代が全世界に及ぼす影響が巨大なことは当然である。





アジアでは共和党のトランプ大統領から民主党のバイデン大統領への変化はどんな反応を生んでいるのか。





アジアの各国、各地域で民主主義や人権を擁護する多様な勢力の間では、トランプ前大統領への支持が圧倒的に強く、バイデン大統領の姿勢には懸念が多いという報道が改めて反響を呼ぶようになった。とくにこの好意的なトランプ評価が反トランプの基調を保ってきたニューヨーク・タイムズによる報道だから注目される度合いが高くなったようだ。





アジアでのこの現実はバイデン政権のこんごに不安の影を投げることにもなりそうである。





 「トランプの方がベター=アジアでは民主主義擁護の勢力はバイデンについて心配している」――トランプ前大統領を賞賛し、バイデン大統領を批判するとも思われる、こんな見出しの記事が改めてワシントンの外交筋やアジアのアメリカ外交観測者の間で話題となった。





記事自体はアメリカ大統領選のほぼ4週間後の12月1日に発信されたが、バイデン政権の登場とともに新たな関心を集めているわけだ。





 なにしろ「トランプはバイデンよりも好ましい」という意味の見出しだから、バイデン大統領への痛烈な警告や懸念の表明とも受けとれる。大統領選挙中から投票後も一貫してバイデン候補を支援してきたニューヨーク・タイムズとしては異端中の異端の報道だろう。それだけにその内容は重みを発揮するともいえる。





 この記事はタイのバンコク発でアジア報道の経験豊かなハナ・ビーチ記者の署名となっているが、ベトナムや香港、ミャンマーの各地からの報道をも盛り込んでいた。だから全アジアの反応の報告だったともいえる。









写真)ブリュッセルにおけるウイグル人らによる反中国デモ 2020年10月1日





出典)Thierry Monasse/Getty Images





 記事の内容としては以下の諸点が注目された。





 ・香港の民主活動を支持する香港市民の実業家エルマー・ユエン氏は「バイデン氏は中国の現政権と共存していくという姿勢だが、この姿勢は私たちにとってホワイトハウスに習近平が座っているような危険を感じさせる」と自身のユーチューブで語った。だがこの種のバイデン氏に関する「親中」の印象はたぶんにアメリカ側強硬保守派の政治宣伝に影響されているようだ。





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