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「蔑視」は森氏だけの問題か(下)スポーツとモラル その3

Japan In-depth / 2021年2月24日 23時0分

そうかと思えば、今次の騒ぎを受けて、昨年新型コロナ禍の騒ぎの中で湧いて出た「自粛警察」まがいの、二言目には女性蔑視だと騒ぎ立てる「ジェンダー警察」のごとき動きも見受けられるようになってきている。





昨年大ヒットしたアニメ映画『鬼滅の刃』の続編が「遊郭編」であると発表された途端、アニメで遊郭を扱うなど女性蔑視ではないか。との声が上がったそうだ。





「たしかに女性蔑視でしょうけれど、なにか?」





とでも言う他はない。私はそのアニメのファンでもないし、製作者を擁護する義理もないのだが、1958(昭和33)年に売春禁止法が施行されるまで、遊郭はそれなりの規模の街であれば必ずあった。このアニメは大正時代という設定なので、遊郭が物語の舞台となっても不思議ではないし、そこに売られて行く女性がいたことは、厳然たる歴史的事実なのだ。歴史的事実から目を逸らし続けるところに、文化の成熟はない。









▲写真 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の新会長に就任し、記者会見する橋本聖子氏(2021年2月18日) 出典:Yuichi Yamazaki/Getty Images





最後にもう一度だけ、橋本新委員長の話題を。





前回、彼女の子供の名前がすべて五輪にちなんでいることを紹介させていただいたが、別の側面も見ておく必要がある。





彼女の出産は、実は現職の参議院議員としては初めてのケースであった。これにともない、参議院規則が改正されて、出産を理由とした本会議欠席が事実上、制度化されている。今でこそ議員の産休や育休が認知されるようになってきているが、道筋は彼女がつけた。





現職国会議員にして五輪出場選手という「二足の草鞋」についても、私は「なぜか」賞賛されなかった、という表現を用いた。





彼女が腎臓と呼吸器系に持病を抱え、それを乗り越えてメダリストにまでなったのだと述べれば、私の言わんとするところがご理解いただけるだろうか。





こういう功績を無視して「セクハラ常習犯」などと書き立てることもまた、蔑視をはらんでいるのではないかと、私には思えるのだ。





(上、中。全3回)





トップ写真:1988年2月23日にカナダのアルバータ州カルガリーで開催された冬季オリンピック女子3000mスピードスケート大会に出場する橋本聖子氏 出典:Mike Powell/Getty Images




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