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仏、「肉抜き」給食で論争に

Japan In-depth / 2021年2月27日 17時49分

 


実は、この肉無しの単一メニューというやり方は、昨年6月までリヨン市長を務めたジェラール・コロン氏が最初に行った施策だった。去年、新型コロナウィルスの第一波のさなか、外出制限期間が終了後、学校では今まで存在しなかった規則が追加され混乱に陥った。そのため、今までにない作業が増加しても子供たちに温かい食事を提供できるように、一部業務を簡略化することになったのだ。その一環として子供たちが選べるよう複数用意されていたメニューを取りやめ、単一メニューとした。肉無しの単一メニューは5月から7月まで提供されたが、その時はなんの論争もおきなかったのだ。


 


当時この決定を下した理由としては、以前は2種類のメニューが提供されていた時、約半分の生徒が嗜好や習慣や宗教などの理由で、肉以外のメニューを選んでいたからとしている。そのような状態を受け、単一メニューとする際に肉の方のメニューを取りやめにしただけで、菜食主義というようなイデオロギーによる決定ではないというのだ。


 


■ 保健相と、環境相はリヨン市長擁護


政府の内相と農業・食料相は反発したものの、保健相と、環境相は擁護にまわり、政府内でも意見が分かれている。


 


オリビエ・ベラン保健相は、自分の子供たちのためにベジタリアンの食事を用意したこともあり、ショックも受けないし、スキャンダルとも思わないと述べ、バルバラ・ポンピリ環境相は、菜食主義の食べ物は、バランスの取れていない食事になるという、使い古された決まり文句が使われることを残念がった。


 


■ 学校でのアルコールが禁止されたときの状況と似ているという声も


グルノーブルの市長は、この論争は、1954年にピエール・メンデス・フランス氏が、アルコール中毒を防ぐために学校でワインを提供するのを禁止しようとしたときの論争に似ているという。当時は、子供たちにアルコールを飲ませることは病気の予防になると信じていた家庭もあったし、小学校、中学校、高校の食堂でもアルコールを出すことは普通だった。そんな中マンデス=フランス氏は、子供の成長のために、アルコールより牛乳を飲むことを推奨したのだ。そのため大きな論争が起きた。


 


しかし、最終的には14歳以下の子供のアルコールを禁じることとなり、1956年に小・中学校ではアルコールを出すことが禁止された。それでも14歳以上は水で薄めたワインを飲む権利は維持されたので高校では提供され続けたが、1981年にようやく禁止となった。


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