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仏、最西南端で感染者少の謎

Japan In-depth / 2021年3月15日 13時37分

バスク地方の一般医のギヨーム・バルックさんは一つの理由としてこの辺りは年配の人が多く住んでいるにもかかわらず、健康な人が多いことを挙げている。あとは気候が温暖であることも関係しているだろう。海があるので一定の風がいつも吹き、湿気があるのが感染予防に役立っているのではないかという。





しかし、温暖な気候と年配の人が健康なのはいいとしても、海が関係しているならどうして海に面した北フランス、ノール県のダンケルクは、あそこまで感染が流行っているのだ。ダンケルクも海に面して風が吹いている。というかその前に、同じピレネー=アトランティックでも、内陸にあるベアルン地方には海はない。だいたい、現在は感染率が低くなっているピレネー=アトランティックだが、実は、昨年の秋はかなり感染が拡大していた経緯があり、常に低かったわけでもないのだ。





■ 感染が広がっていた時期を乗り越えた経緯と変異ウィルス





秋には人口10万人あたりの感染者数は、約500だった。それは、パーティーなどの集まりと密接に関連していた。政府は感染抑制のためフランス全国のレストランとバーの閉鎖を決定したが、この地域には別の効果を生んだのだ。レストランやバーをフランスで閉鎖していてもスペインでは閉鎖されていなかったため、スペイン側に行って羽目をはずしてくる人々が増加したのである。その結果による感染拡大だった。





ヌーヴェル=アキテーヌの公衆衛生長のローラン・フィヨル氏は、このような感染拡大を目の当たりにしたため、正しい行動する人は対策の必要性を十分理解し、予防策を継続したのが現在感染が収まった理由の一つではないかという。また、普段から危険な行動する人々の大部分はすでに感染したのではないのかとも推測している。また、12月に入り国境管理も厳重になった。その結果、スペインには仕事や病院など、必要な用事が無い限り行けなくなったことも感染が収まった大きな要因の一つと言えるかもしれない。





そして、そういったようなさまざまなことが影響しているのか、英国変異ウィルスの広がりが全国平均の65%に比べて低いことも感染が抑えられている理由の一つと考えられている。だが低いと言っても、2月8日の週には14%だった英国型の割合が、3月1日の週には43%に増加している。もし変異ウィルスが主な理由だとすれば、今はまだ感染が広がっていないだけで、今後、急速に感染拡大する可能性も捨てきれないのではないだろうか。





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