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用意周到、中国外相中東歴訪

Japan In-depth / 2021年3月30日 19時40分

「新疆綿」は良質で、業界では世界三大ブランドの一つらしい。恥ずかしながら、それは知らなかった。しかも、中国産の綿花の大半はウイグル自治区産だという。「奴隷労働」かどうかは不明だが、あの水の少ない中央アジアの一角で、オアシスに依存してきた遊牧民族の土地に、「綿花栽培」という農業を持ち込んだのは漢族である。





中国外務省は、同自治区内労働者が「自らの希望に基づき職業を選択」していると主張する。だが、農耕民族が遊牧地域に入り、準軍事組織を通じ、遊牧民を雇用し、良質の綿花を生産することの経済的、政治的合理性には議論の余地もあろう。先週も書いたが、最近中国は「売られた喧嘩は倍返しで買う」傾向が強いので要注意だ。





〇アジア





ミャンマーでは軍による反対派への暴力がエスカレートし、多くの犠牲者が出ている。米大統領は「完全に常軌を逸している」と強く非難、追加の制裁措置を検討し始めた。どうやら、ミャンマー国軍は大きな判断ミスを犯したようだが、同国に軍以外のまともな政治組織が見当たらないことも事実。大規模内戦にならないことを祈ろう。





判断ミスと言えば、北朝鮮も同様だ。今回新型「弾道ミサイル」の発射テストを再開したようだが、これって4年前のトランプ政権時代以前と基本的に同じ。ピョンヤンにはこれ以外の手法はないのか。「核保有」を既成事実化し、「非核化」ではなく「核軍備管理」交渉に持ち込み、現体制の生き残りを賭ける姿は変わりようがない。





〇欧州・ロシア





米国務長官のブラッセル訪問に対する欧州側反応は「温かく歓迎するが、中身はこれから」であり、米側も今回は「聞き手」に徹したようだ。米側は「中国の脅威」を売り込んだが、欧州側はNATOの信頼性、アフガニスタン、イラン、独露パイプラインなどにより関心が高かった。中国に関する米EU間の温度差は意外に高いと見る。





〇中東





スエズ運河で座礁した巨大コンテナ船がようやく「動き始めた」らしいが、中東ではその程度で安堵してはならない。行けば分かるが、スエズ運河の水路は驚くほど狭い。昔はあんな巨大船など想定していなかった。責任がどこにあるかはこれから調査すべきだが、エジプト当局が責任を認めることは「決して」ない。これが中東である。





〇南北アメリカ





米国で対アジア系ヘイト犯罪が急増している。3月16日にアトランタ近郊の3つの(恐らくは)イカガワしい「スパ」で連続銃撃事件が発生、死亡者8人のうち、6人がアジア系(4人が韓国系)の女性だったという。これは人種差別であると同時に、アジア女性への性的搾取の問題でもあるのだが、この点メディアは詳しく報じていない。





〇インド亜大陸





インドで新型コロナの第二波が始まりつつある。27日、過去24時間の新規感染者が6万2000人を超えた。2月末までは連日1万人台だったから、危機的状態だ。「第1波」のピークは昨年9月中旬の一日約10万人だったから、インド政府の危機感は半端ではなかろう。





今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。





トップ写真:バイデン大統領(当時副大統領)、習近平国家主席(当時副主席)(2011年8月19日北京) 出典:Lintao Zhang/Getty Images




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