同調(圧力)よりカネ配れ!(上)日本メルトダウンの予感 その4
Japan In-depth / 2021年4月1日 10時23分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・大阪府「まん防」申請、中身は飲食店利用者「マスクの義務化」。
・今さらマスクや時短の話など、国民はもはや聞きたくない
・問題は自助・共助の限界を超えた人たちへの生活支援ではないか。
裸眼でものを見るのに不自由なく、花粉症でもないという「上級国民」にはお分かりいただけないかも知れないが笑、マスクをしないと外出もままならない昨今の日本は、本当に生きづらい国になったと感じる。
花粉症なのに今までマスクをしていなかったのか、と言われそうだが、症状は色々で、私の場合くしゃみ鼻水よりも目の痒みが深刻なのだ。一方ではマスクをしていると眼鏡が曇るという問題があった。くしゃみ鼻水のせいで窒息したなどという話は聞いたことがないが、眼鏡が曇ると実際に危険である。なにより布製のマスクなど、花粉にはあまり有効ではない。
もともと「在宅ワーカー」なので、家には目を洗うためのアイボンと、殺菌効果のあるサルファ剤入りの目薬を常備して事足りていたし、外出時はくしゃみが出そうなときだけハンカチで口元をおおっておけば、やはり問題なかった。新型コロナ禍の以前は。
しかし今では、もはや多くを語るまでもないことだが、マスクなしで電車に乗ろうものなら、いつ周囲の乗客とトラブルになるかも分からない。スーパーなどでも、マスク着用と客同士の距離(いわゆるソーシャルディスタンス)を、店内放送で呼びかけているし、レジにはビニール製のシールドがある。
なんと言っても少林寺拳法の道場で、検温と手指の消毒、そしてマスク着用が義務づけられているほどなのだ。なおかつ私は、たまにマスクをずらしてふざけあっている子供がいたりすると、立場上、
「よしなさい。万が一ということがある」
などと注意せねばならない。これでは自分がちゃんとする他はないではないか。
道場自体も「時短」を強いられているのだが、マスクをしての修練は、むしろ疲れる。まあこれは、経験しないと分からないことであろうが。
幸い、というのも妙なものだが、表を歩いている分には「顎マスク」の状態で、これまでなんの問題もなかった。屋内や電車内ではちゃんと口と鼻を覆っている。
なので、飛行機の中で騒ぎを起こして警察沙汰になったという「マスク拒否おじさん」の出現は、起きるべくして起きた騒ぎだとは思いつつも、やはり腹立たしかった。
起きるべくして起きた、とはどういうことかと言うと、日本社会に特有の「空気」の問題が、ひとつ指摘できる。外出時のマスク着用は法律で定められてもいないし、鉄道会社や商店からも「お願い」されているに過ぎない。マスク未着用の乗客を拒否できるのは営業権の範囲内だと解釈されているわけだ。
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