NY、ワクチン接種急ピッチ(下)
Japan In-depth / 2021年4月18日 13時33分
柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)
【まとめ】
・急速に進むワクチン接種で、イベント会場は観客動員出来るように。
・ワクチン証明書の偽造に対し、デジタル証明書発行の動き。
・今後は未成年者へのワクチン接種が課題に。
新型コロナ(以下COVID-19)の予防接種が加速度的に進む、アメリカ。
私がファイザーの2回めのワクチンを受けた翌日、妻が、1回の接種で済む、ジョンソン&ジョンソン(JJ)社のワクチンを受けに出かけた。
接種が1回で済むため、人気が高く、2回接種のファイザーとモデルナのワクチンと比べ、ニューヨークでは予約を取るのはなかなか困難であった。JJワクチンを受けられる、というだけで話題性があることもあって、意気揚々と大規模接種会場に出かけて行く妻の後ろ姿を見送った。
コーヒを入れ、子どもたちの相手をしていると、携帯に入ったニュース速報に、目が釘付けになった。
「JJ社ワクチン投与で血栓ができる可能性の疑い、とCDC(アメリカ疾病予防管理センター)は使用の一時中止を勧告。勧告を受け、ニューヨーク州は接種の中断を決定」
驚愕して、妻に連絡すると、妻はすでに会場入りして数十人の列に並んでおり、なんと、JJのワクチンか、ファイザーのワクチンかの選択をする分岐点の数メートル手前にいた。
このニューヨーク州営の会場はJJのワクチンとファイザーのワクチンの2種類を提供しており、前日のCDCの中止勧告を受け、JJのワクチン接種選択を思い直した者は、その場でファイザーの接種に切り替えられる措置をとっていた。
CDC勧告のニュースは会場で並んでいる人達の間でも知れ渡っていたらしく、大人気のJJのワクチン投与の列を選択する人は数人で、ほとんどの人はファイザー社の列を選択していたそうだ。
妻は胸に緑色のシールを貼られ、これが、JJ社ワクチン接種の予定からファイザー社に切り替えられた人、という目印だったらしい。妻は現場でそれなりの混乱を体験したようだが、JJワクチンから一転、ファイザーの1回目の接種を終えることが出来た。
アメリカではCOVID-19のワクチンの接種は順調に進んでいる。
実施回数はカリフォルニア州が2500万回でダントツの全米トップ。その後にテキサス州の1600万回、ニューヨーク州の1300万回と続く。
急速に進むワクチン接種だが、それに伴い、社会の側も急速に開かれつつある。
まだ殆どの業種でまだ制限が付けられているとは言え、1月ころと比較すると、大幅に緩和されている。
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