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米警察の射殺標的、低年齢化

Japan In-depth / 2021年4月22日 9時23分

市民側にも問題がある。ホームレスや精神疾患を持つ人を見れば、住民は排除のために警察を呼ぶ。学校は問題を起こした子供に懲戒処分を下す代わりに、警察に逮捕を求める。近所や家庭内のつまらない口論を、人々は警察に通報して大事(おおごと)にする。これには、当事者同士の解決努力を何でも公的な争いに仕立て上げる訴訟文化が大きな役割を果たしている。「どんな些細なことでも通報を」とするジェンダー論的な警察肥大国家の末路であり、更生のチャンスが与えられるべき非行少年たちは、大人たちの無責任さの犠牲になっている面がある。









▲写真 アダム・トレード君射殺への抗議者行進に際し、ロリ・ライトフット市長宅付近を警備する警察官 出典:Kamil Krzaczynski/Getty Images





■子供の幸福のための努力を放棄





警察による同様の非行少年の射殺に話を戻そう。未成年者の射殺はシカゴで過去にも起こっているだけでなく、全米で今なお増加している。日本ではあまり注目されなかったが、ハワイ州ホノルル市で4月5日に、ミクロネシア連邦共和国のチューク諸島(旧日本委任統治領である南洋群島のトラック諸島)にルーツを持つアイリメンバー・サイカップ君(享年16)が盗難車を運転して逃走中に、ハワイ大学マノア校にほど近いマッカリー地区で追跡中の警察により射殺された。





白人(ハワイ語ではハオレ)女性であるホノルル市警のスーザン・バラード本部長は、「サイカップ君ら14歳から22歳の少年6人の一団はモデルガン強盗を働き、盗難車のホンダ・アコードで逃走中に対向車線にはみ出し暴走した。その時点で3人の警察官が複数回発砲し、車ははずみで運河に落下した」と説明した。だが、バラード本部長は、本当に少年たちが他人や警官の命を危険にさらしたのか、彼らがその時点で武装していたのか、警官は何発を発砲したのか、サイカップ君の身体のどこに弾丸が命中したかなど、詳細をまだ明らかにしていない。





サイカップ君は4歳の時に、英語を話せない母親や祖母と共に、ホノルルでも特に治安が悪いカリヒ地区に移住。学校では教師たちが、言葉の通じない親とうまくコミュニケーションが取れず、サイカップ君が中学生になる頃には問題児のレッテルを貼られていた。彼には16歳にして、複数の前科があったとバラード本部長が発表している。





しかし、ハワイではそうした故人を貶める発表が、警察による正当化できない発砲を糊塗する目的を持つものだとして、現地社会で差別されることが多いミクロネシア系の人々を中心に抗議の声が上がっている。





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