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イジメと「迷惑系」厳罰化急務「墓石安全論」を排す その3

Japan In-depth / 2021年4月25日 7時0分

事件報道をめぐる問題は、いずれ稿を改めて論じさせていただくとして、私が昨今良く思うのは、18歳以上20歳未満の犯罪者に対する厳罰化より、より低年齢の、具体的には小中学校で頻発するイジメに対応する法整備を急ぐべきではないか、ということである。





今年2月にも、北海道旭川市でイジメを受けた中学2年生の女子生徒が自殺に追い込まれる事件が大きく報じられた。旭川市では1996年にも、やはり女子中学生が、同じ学校のいわゆる不良グループから繰り返し性的暴行を受けていた事件が発覚しているが。これはまあ単なる偶然だろう。





ただ、1996年、2021年ともに、加害者への処分がきわめて甘かった上に、学校側の対応が不誠実極まるものであったという点は指摘しておきたい。





1996年の事件では、被害者をレイプした実行犯が少年院送りとなったが、あとは総額数百万円の慰謝料が支払われて決着してしまい、2021年の事件では、自殺した女子生徒に裸の画像を送るように強要した上に拡散したとして、当時14歳未満であった「触法少年」1人が厳重注意処分となっている(罪状は児童ポルノの所持)。人ひとり自殺に追いやって、叱られただけなのだ。





しかも市の教育委員会は、こうした処分が下された後になっても、「(イジメの有無について)市教委の認識とは異なる」などとコメントし、あらためて調査するのだという。ちなみに女生徒の葬儀には、学校や市教委の関係者は誰一人顔を出さなかった。言うなれば女生徒を見殺しにした市教委の独自調査などではなく、警察が介入できれば、学校や加害者側の対応も、また違ったものになったのではないか。





さらに言えば、こうした問題は特定の学校や自治体に限られてなどいない。





最近ではイジメに対応する私立探偵までいるようだが、彼らの報告によれば、小学校内で(つまり加害者・被害者ともに小学生であるところの)集団レイプ事件まで、しばしば見受けられるようになってきているという。





これについて「イジメの範疇を超えている」と語る人もいるようだが、私はその言は認めない。性暴力をともなわなければ許容範囲だという論理になってしまうではないか。





ここでも念のため述べておくが、私は14歳未満の少年にも刑事罰を科して実名報道するべき、と主張するものではない。現状、児童相談所に「触法少年」として報告し、説諭もしくは注意処分(要するにお説教)しかできないところ、いじめの事実が露見した時点で、短期間でも学校から隔離する「再教育システム」のようなものを適用できるようにしてはどうか、と考えているのだ。





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