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ASM-3の生産は限定的となる

Japan In-depth / 2021年4月25日 11時0分

ASM-3は今後JSMと較べられるのである。





この比較は何をもたらすか。





超音速ミサイル選択の誤りが明らかになる。





なによりも問題を解決できないことが明白となる。超音速と探知困難のどちらが有力であるか。それを一度でも詰められればそうなる。超音速は迎撃可能であり、さほどの効果は期待できない。それが明らかになるのだ。それによりASM-3は顧みられなくなる。





付け加えれば超音速採用の不便も明らかとなる。巡航高度は10m以下にはできないため発見されやすい。また重量級であり戦闘機には1-2発しか積めない。その上で炸薬量も少ない。なによりも高価である。これも以前に述べたとおりである。(*6)





だから生産は限定的となる。実際に作っても開発失敗を認めないための生産である。「国産開発したのに生産しないのは開発費の無駄遣いである」。その批判を避けるための極少数生産にとどまるのである。





 





(*1) 続報はない。防衛省は年末に「取得経費を令和3年度予算案に計上することを[防衛省は]決定した」と発表した。





https://www.mod.go.jp/j/press/news/2020/12/25a.pdf





だが成立予算には特に記載はない。





(*2) 郭棟ほか「美海軍分布式防空作戦能力仿真分析」『指揮控制与仿真』42.6(中国船舶集団七一六研究所,2012.12)pp.107-111.





なお高速性能で軍艦を出し抜くにはマッハ6~8が必要とされている。





(*3) カメラ誘導の効果はそれだけではない。ミサイルは画像認識と内部データベースを利用し目標艦船を正確に識別する。そして目標艦船に設定された弱点に向かって飛んでいく。命中精度は目標点の1m以内である。その上で爆発タイミング設定も可能となった。大型の艦船なら船体内部で爆発できるように遅めに、小型なら早めに爆発する調整である





(*4)「改良型も不首尾なASM-3」https://japan-indepth.jp/?p=46144





(*5) なお、目標接近まではなるべく陸上を飛ぶようにもされている。山陰を利用し複雑地形のレーダ反射に紛れるためだ。このような飛行経路はNSM内部のコンピュータで自動設定される。





(*6) 「国産ミサイルはいらない」https://japan-indepth.jp/?p=38372





(*7) 結果、日本の対艦ミサイルは超音速から亜音速に回帰するのである。その仔細については次の記事で示している。





文谷数重「対艦ミサイルは『亜音速』で十分だ」『軍事研究』662 2021年5月号(JMR,2021年)pp.66-77.





トップ写真:新空対艦誘導弾(XASM-3)の発射試験の様子 出典:防衛装備庁技術シンポジウム2018年発表要旨より




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