アフガン米軍撤退が招くもの
Japan In-depth / 2021年5月4日 11時0分
しかも、UBLの潜伏先はパキスタンの陸軍士官学校から至近距離にあったらしい。当然、欧米のマスコミはパキスタン軍統合情報局(以下、ISI)がUBLの身柄隠匿に関与したのでは、という疑惑を報じた。でも、その程度のことで驚いてはいけない。何しろ、アフガニスタンの東部と南部の長い国境はパキスタンと接しているのだから。
●しかし、米国は世界中に転移したテロ集団からの脅威への警戒は怠らない。米国はアフガニスタン発の如何なる脅威をも引き続き監視し粉砕する。
(But the United States will remain vigilant about the threat from terrorist groups that have metastasized around the world. We will continue to monitor and disrupt any threat to us that emerges from Afghanistan.)
おいおい、2001年から20年間、米軍が駐留して出来ることは全てやったはず。それでも、アフガニスタンの中央政府は安定せず、逆に、パキスタンと同じパシュトゥーン系のターリバーンが勢力を回復している。米軍の力が足りなかったのではない。古はペルシャ、ギリシャ、インド、近代ではイギリス、ソ連の例がある。アフガニスタンという場所は常に外国支配を拒絶する地域なのだ。
●米国は、世界の同盟国やパートナーと協力し、米国の本土と国益に対するテロの脅威に対抗していく。
(And we will work to counter terrorist threats to our homeland and our interests in cooperation with allies and partners around the world.)
これだって、過去20年間必死でやって来たことだろう。しかし、米軍が完全撤退すれば、力の真空が生まれ、必ずそれを誰かが埋める。されば、AQでも、ISISでもない、テロリストの新顔がアフガニスタンを聖域とする可能性は極めて高い。米国はそれも承知で撤退を決定した。残念だが、そうみるべきだろうと思う。
〇アジア
北朝鮮の金与正女史が、先日北朝鮮にビラを散布したとする韓国国内の脱北民団体の責任を韓国政府に追及したという。金与正女史は昨年もビラ散布を非難し、直後に開城の南北連絡事務所を爆破した。今回の恫喝に対し、韓国の警察総長は「徹底した捜査を迅速に行い、厳正に処理せよ」と指示したという。何と情けない話か。
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