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仏で麻薬売買拠点の解体進む

Japan In-depth / 2021年5月10日 23時0分

■ 住民を悩ます麻薬ディーラーと薬物依存者





フランスの警察が、麻薬の各拠点を解体しようと努力していることから、各地で麻薬ディーラーから激しい抵抗にもあっている。リヨンやリールでは、対抗する麻薬ディーラーたちによる騒動が数日間続いた。





しかも、警察が各麻薬取引拠点を一掃したと思っても、実際は壊滅しきれていない場合も多い。「取り締まっても拠点が無くなるわけではない。単に場所を移動するだけだよ。キノコのようにそこら中から生えてくるんだ。」と住民は語る。





パリ、19区のスターリングラード広場では、毎晩広場を占拠する薬物使用者の群衆にひどく腹をたて、ついには住民が2日連続で麻薬使用者に向けて、花火で攻撃するに至った。19区のフランソワ・ダニョウ市長は、この行動に対して非難をするものの、そのような行動に至ることは理解できるとした。市長自身、助けを求める住民の姿を見てきているのだ。





この辺り一帯は、昔から麻薬ディーラーや薬物使用者が居たが、近年あたかも薬物関係者の聖地のようになった。ヨーロッパ中から人があつまり、毎晩この界隈には100人ほどの薬物関係者がいるのだと市長は語る。一年ほど前から、警察のパトロールを24時間体制でおこない、建物を改装したり、ベンチを取り除くなど環境対策にも取り組んできたが今だ解決には至っていない。





5月8日の夜中には、麻薬売買が行われていることで知られる南仏のフレジュスにあるガベル地区で街の破壊行為が行われた。50人ほどの若者により車が3台燃やされ、ショーウィンドウが17件破壊されたが、さらにかけつけた治安部隊に火炎瓶などを投げつけ、警官2人と地方警官1人が負傷した。





このように麻薬関連が疑われる破壊行動もフランス各地で起こっており、各地の市長から国レベルでの解決が要求されてきているのである。





そこで、フランス国内の犯罪に対抗するときには治安部隊に大きな危険があることは間違いないが、公共の秩序を守るためには突き進んでいかなくてはならないとし、マクロン大統領は、任期が終わるまでの2022年までに10000人の治安部隊の増員を予定している。現在すでに、4508人の警察官と1706人の憲兵、すなわち6214人の警察官が採用されており、今年さらに2000人を採用予定としている。





治安部隊の増強で、今後、どこまで状況が変わるかはわからないが、安全な暮らしを送れる日々がくることを願って、現在フランスが前進しようとしていることは間違いない。





-参考リンク-





A Paris, la tension monte entre riverains et « crackeux » de Stalingrad





Policier tué à Avignon : «La violence enfle dans notre société», reconnaît Emmanuel Macron





Quelle est l’ampleur du trafic de drogue en France ?.





トップ写真:EUサミットにてメディアに向かって語るマクロン大統領 出典:Thierry Monasse/Getty Images




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