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北朝鮮、未曾有の食糧危機に

Japan In-depth / 2021年5月22日 23時56分

そうかといって北朝鮮はいま、食糧を外国から輸入できる状態でもない。北朝鮮の外貨保有が底をついているからだ。また新型コロナウィルス変異株の拡散が重なり、中朝国境の封鎖も緩和できない状況にある。このままだと1990年代の「苦難の行軍」レベルではなくなる可能性が出てきている。





そのシグナルは、すでに北朝鮮市場における穀物価格の上昇として現れている。幹部や富裕層が消費するコメ価格の上昇はそれほどではないが、一般住民の食料であるトウモロコシ価格は、昨年末頃から急上昇し始めた。これは今後の深刻な食料不足を予告するものだ。





生活品の暴騰は、驚異的なレベルに達している。内部からの報告では、すでに平均5倍以上値上がりしているという。外国人向け商店からは牛肉の缶詰だけでなく、豚肉の缶詰も姿を消した。





そして贅沢品の部類となる日本製シャンプーは、これまで180円だったものが6000円となり、コーヒーは1パック480円が6800円に跳ね上った。今はその商品さえもなくなっている。





政府公認の市場(チャンマダン)は開いているのだが、売るものがない状態で、特に食用油、砂糖、小麦粉がなくなっている。こうしたことから、1990年代の“苦難の行軍”時期ですら中央党の幹部たちに供給されていた油や砂糖、調味料の供給が先月から止まった。





しかしなぜか金正恩は国をかたくなに閉ざしたままだ。国際社会に向かって支援も求めていない。これも1990年代とは異なる異常現象だ。この我慢がいつまで続くかはわからないが、住民の我慢はすでに限界を超えている。ここから更に国の封鎖状態が続けば、金正恩体制は、これまで経験したことのない危機ゾーンに入るだろう。そうした兆候は、すでに様々な形で出てきている。





トップ写真:金正恩総書記 2019年4月25日にロシアのウラジオストクで開催されたロシア-北朝鮮サミットにて 出典:MikhailSvetlov/GettyImages




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