ワクチン接種、かかりつけ医の活用を(ワクチン接種その3)【菅政権に問う】
Japan In-depth / 2021年5月26日 19時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・大規模会場が増加も、ワクチン接種請け負う医師はなかなか増えず。
・クリニックから高齢者に電話して接種予約が順調に。高齢者も安心。
・かかりつけ医がいる⼈は55.2%のみ。さらなる普及を。
前回、ワクチン接種においてアメリカ軍協力を書いたところ、左右の方々から厳しい意見をもらった。しかし、大規模接種会場設置が次々に進んできている。町田のサッカー場、築地跡地、東京ドーム・・・などなど。
一方、コロナワクチン接種の現場で仕事を請け負う医師がなかなか増えないこともあるようだ。
なぜか。
問診というのはなかなか難しいからだ。既往症の確認などを丁寧にやらないといけないし、ワクチンみたいな異物を体内に入れるのは苦手な国民性でもある。注射行為は思わぬ副作用があるため、医療訴訟が決して稀ではないようだ。また、ある医師によると「問診医師の責任にされるような流れが有れば、誰も行きたがらないでしょうね」ということだそうだ。
とはいえ、ワクチン接種1日あたり100万回の目標を達成するために、医師の方々には頑張ってもらいたい。
■ 素晴らしい事例も
自治体では、直接ワクチン接種の予約ができる協力医療機関を発表するなどの取り組みがみられるようになっている。
ある横浜市郊外のクリニックにオンライン取材を行う機会を得た。その医師によると小規模クリニックでどのように予約体制をつくるかが課題であって、内部で案を話し合い、画期的な取り組みを行動に移したのだ。
それは、クリニックから高齢者に電話する、というものだ。
ネット予約では高齢者は使えない人が多く、電話予約を解禁すると、問い合わせが殺到して一般診療ができなくなる恐れがある。そこで、思い切ってこちらから電話するということになったそうだ。
結果はどうなったのか。
高齢者は口々に「安心した!」「良かった!」と。これまでにない多くの感謝の言葉があったそうだ。縁のあるご近所さん数百人の予約取得がきわめて順調に進んだそう。通常診療にも支障はなかったとのこと。
こうした医師の現場での実行はなかなか凄い。これこそ「かかりつけ医」なのではないか?と感じた。
■ かかりつけ医制度の活用を
日本の医療では、かかりつけ医の必要性が叫ばれている。
かかりつけ医とは何か確認しておこう。「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義されている。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
【若手医師のキャリア満足度と開業志向】約9割の医師が収入の増加や地域医療への関心が「開業」を視野にいれている結果に
PR TIMES / 2024年11月21日 11時0分
-
「障害は個性ではない」。吃音を持つ開業医が伝えたい“あきらめずに悪あがきすること”の重要性
日刊SPA! / 2024年11月19日 8時52分
-
365日年中無休の小児科クリニック「キャップスクリニック相模原」を2024年12月1日(日)に開院予定
PR TIMES / 2024年11月1日 16時45分
-
365日年中無休の小児科クリニック「キャップスクリニック高田」を2024年12月1日(日)に開院予定
PR TIMES / 2024年11月1日 16時45分
-
小児科を標榜しているのに「小児科専門医」がいない…現役医師が受診前の確認を強く勧める病院サイトの項目
プレジデントオンライン / 2024年10月30日 18時15分
ランキング
-
1建築火災の専門家「密閉的な空間で放火されたらどうしようもない…」札幌すすきの“ガールズバー”爆発火災 火を放った疑いの41歳男性と20代女性従業員の間で交際トラブルも
北海道放送 / 2024年11月27日 19時56分
-
2玉木氏「パフォーマンスなので」 企業・団体献金の禁止めぐり 国民民主が野党協議欠席
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 18時21分
-
3出品者に情報提供求める=アマゾンジャパンの独禁法違反―公取委
時事通信 / 2024年11月27日 19時31分
-
4斎藤元彦知事の代理人、PR会社経営者の投稿は「事実を盛っている」…広報全般を任せた「事実ない」
読売新聞 / 2024年11月27日 20時27分
-
5国民民主・玉木氏、異例の官邸訪問=石破首相に原発新増設を要望
時事通信 / 2024年11月27日 20時9分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください