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東京五輪に反対する人たちへ 東京都長期ビジョンを読み解く!その99

Japan In-depth / 2021年5月31日 12時30分

東京五輪に反対する人たちへ 東京都長期ビジョンを読み解く!その99




西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)





【まとめ】





・現段階まで来てしまったからには東京五輪は開催すべき。





・新型コロナに関する様々なデータを鑑みてもそれは明らか。





・五輪を開催し、開発や費用が増大した責任を問うべき。





 





35%が東京五輪「中止」と考えている。





これが世論のようだ。詳しく説明すると、各メディアから東京五輪・パラリンピックの今夏開催に関する世論調査の結果が出てきている。共同通信では中止すべきが35.3%、再延期すべきが44.8%という結果、朝日新聞では制限して行うが49%、観客なしで行うが45%、、中止が35%という結果であった。





筆者は、五輪への立候補については大反対の立場であったが、ここまでの段階に来てしまったからには「開催すべき」だと考える。感染者数は74万人、死者は1.2万人。全国民の0.6%しか感染していない。









▲図 【出典】厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)」





コロナ陽性者になった人のうち、死亡した人の割合である「死亡率」は80代以上では13.2%、70代では4.8%、60代では1.3%。ほとんどで開催前にほぼワクチン接種を終えることが想定されているということ、緊急事態宣言は「医療」緊急事態宣言に過ぎないこと、サッカーや野球などのイベントは開催していること、ここ何年も準備に動いてきたこと、予算を執行してきたこと、アスリートの方々のせっかくのチャンスを台無しにしたくないことなどが理由である。





■経済的プラスマイナス





賛成派と反対派の根拠を比較してみよう。









▲図 【出典】筆者作成





結局、コロナをどう考えるかというところが賛否の分かれ目であろう。あれだけメディアで毎日騒がれれば、コロナを恐れるのは当然であろう。しかし、死者は80代が年代的に多く、それまでにワクチン接種が可能になりそうな今、コロナで世界的イベントを開催断念するのはどうなのだろうか。





それでは経済面で見てみよう。東京オリンピック・パラリンピック開催に関わる経済効果・経済損失は、野村総研によると





・観客半数受け入れのケース:734億円

・無観客のケース:1468億円

・大会中止のケース:1兆8108億円





となるそうだ(野村総研資料より)。





他方、「経済損失がもたらす経済への影響は軽微と言える。2020年度名目GDPの規模と比べると、半数受け入れケースでは0.01%、4分の1受け入れケースでは0.02%、無観客のケースでも0.02%に過ぎない」との専門家の指摘もある(野村総研資料より)。





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