「原発リプレースをエネルギー基本計画に」稲田朋美衆議院議員
Japan In-depth / 2021年6月6日 23時0分
■ 国民負担と海外の動き
再生可能エネルギーの拡大をしていくにあたり、洋上風力発電は将来性があると思います。(地元の)福井県も非常によい風況のところがあり、検討していますが、まだまだ時間はかかります。そういう中で、FIT制度の導入拡大によって2019年度で再エネ賦課金の総額は2.4兆円に達しました。これは消費税1%分です。消費税を1%上げるだけでも大変なことです。ここからまたどんどんコストを上げていくことが、国民に理解されるのかという問題もあります。
さらに産業に与える影響が非常に大きいことです。今、再生の最後のチャンスといわれている半導体業界ですが、非常に電力を使う。これ以上電力コストをかけることは、経済全体や国際競争力にマイナスの影響を与えます。また、ロシアや中国は存在感を示していますし、アメリカも原発推進の方向性を打ち出しているわけです。この10年間、1つの新増設もなくきたわけですが、海外との競争に勝っていくことができないと思います。
▲図 再エネ買取費用総額と賦課金総額の推移 出典:経済産業省
安倍: 日本の国際競争力をそぐことになりかねない。
稲田: そうですね。いま日本経済は崖っぷちといっても過言ではありません。しっかりと経済を前に進めていくためにも、原子力の将来像を示さなければなりません。原子力はなかなか不人気な政策かもしれませんが、しっかり安全性を確認したものは再稼働させる、さらに将来的には最新型のものにリプレースすることを明確にすべきです。
▲写真 ⒸJapan In-depth編集部
■ 再稼働の問題
安倍: あと各原子力発電所の安全性向上対策がかなり進んでいることはあまり知られていない。新規制基準に適合し、自治体が同意したところから再稼働を本来進めていくべきだろうが、訴訟が起きたりしてなかなか進まない。
稲田: (再稼働している原発は)現在9基です。ここまで再稼働に長くかかるとは思っていませんでした。新規制基準も世界で最も厳しい水準ですし、避難計画の策定と地元の理解が得られなければなりません。同時に、訴訟リスクもあります。再稼働後に、裁判所による仮処分が認められ、停止を余儀なくされることもあります。高い専門性を有する原子力規制委員会の判断と司法の判断との関係についてのあり方は検討する必要があると思います。
また国策であるエネルギー政策に重大な影響のある訴訟のリスクを民間企業にのみ負わせておくことで良いのかも議論する必要があるでしょう。
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