東京五輪の成果を明確化する!その2【菅政権に問う】
Japan In-depth / 2021年6月12日 11時50分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・五輪通じたスポーツ振興の目標は妥当か、達成することも大事。
・五輪後に「スポーツを楽しみたい」と思った割合などの調査を。
・成果検証ができる五輪こそ、新たなコンセプト。
東京五輪について、菅首相は「たとえば東洋の魔女と言われたバレーの選手。回転レシーブがありました。ボールに食いつくように、ボールを拾って得点を挙げておりました。非常に印象に残っています」「また底知れない人間の能力というものを感じました。マラソンのアベベ選手も、非常に記憶に残っています」と感想を語った。
思いを正直に語る事の少ない菅首相。とってもよかったと個人的には思う。
▲図 【出典】「五輪の目的」筆者作成
前回、東京五輪の目的を明確化したところ、「コロナが抜けているだろ!」との指摘を受けた。確かにそうなのだが、新型コロナウイルスはまだ何とも言えない状況でもあるし、五輪にはコロナ患者やコロナに苦しむ世界の人々を元気づけるという目的もある。しかし、そう書いたら、批判を受けると思ったので話題としては避けた次第だ。ご了解いただきたい。
さて、東京五輪の目的について、目的妥当性という評価視点からいうと、納得いく人も多いだろう。問題は、成果や効果だ。
■政策検証のポイント
政策評価の基本を提示したい。事業の目的や目的が達成できたのかを検証できるようにすることの基本は―
目的(こういう状態にしたい)→現状と目標状態を示す指標→現状数値→目標数値→事業後の実際の数値
という流れになるのだ。
そこで、指標と数値を見てみよう。文部科学省の「第2期スポーツ基本計画」についての実施状況の検証・評価を見てみたいと思う。まず第一に、競技レベルでは、メダル数としては16個とのことのようである。JOCが30個のようだ。
▲図 【出典】第2期スポーツ基本計画の実施状況の検証・評価
また、国民全体のスポーツ人口参画の拡大については、成人の週1回スポーツ実施率が65%、週3回以上のスポーツ実施率が30%の国民になってもらうことが目標のようだ。
▲図 【出典】第2期スポーツ基本計画の実施状況の検証・評価
■都の成果目標?
東京都ではどうか。東京都が発表した「2020改革プラン ~ これまでの取組の成果と今後の進め方 ~(素案)」では、「スポーツの力を広く浸透させ、都のスポーツ振興を飛躍的に発展させる絶好の機会」であり、2020年の達成目標として、スポーツ実施率70%を目標に設定していくそうだ(ちなみに、都民のスポーツ実施率、つまり、週1回以上、スポーツや運動を実施した人の割合は56.3%であった)。
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