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王滬寧、習近平政権内での役割は?

Japan In-depth / 2021年6月19日 23時23分

王滬寧、習近平政権内での役割は?




澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





「澁谷司の東アジアリサーチ」





【まとめ】





・王滬寧が習主席失脚を狙い、複数の罠を仕掛けたとの主張あり。





・王滬寧は中国共産党の最高指導部、政治局常務委員の一人。





・王の言動は習氏を賞賛するようで、その実は罠であったのだろうか。





 





2021年5月29日付『大紀元』は、「王友群:王滬寧(おうこねい)は、習近平の『高官』としてどのような役割を果たしているのか?」という記事を掲載した。





この中で、王友群は王滬寧が習主席を追い落とすため、いくつかの罠を仕掛けたと主張している。権謀術数が渦巻く中国共産党に関する鋭い分析なので、一部概略を紹介したい。





その前に、まず、王滬寧という人物について簡単に触れておこう。





現在、王滬寧は中国共産党の最高指導部、政治局常務委員の一人である。かつて王滬寧は、上海の名門、復旦大学教授だった。王は「上海幇」の大番頭、曾慶紅によって「大思想家」として江沢民主席に推薦され、中央政策研究室で働くことになった(2002年から同研究室主任)。その後、王は、江主席のために「三つの代表」、胡錦濤主席のために「科学的発展観」を産み出している。





2012年11月、共産党第18回全国代表大会で、習副主席が党総書記に就任後、王滬寧は早速、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を創出した(習総書記はその頃から「中華民族の偉大なる復興」という「中国の夢」を提唱している。ひょっとすると、これも王の創作か)。





2017年10月、共産党第19回全国代表大会で、王滬寧は政治局常務委員にまで上り詰めた。そして、王は、憲法に「習近平思想」を書き込む等して、習主席を賛美している。





具体的に、王友群は王滬寧が習近平を4つの方法で陥れたと指摘する。





(1)世界的な伝染病、「新型コロナウイルス」の流行時、王滬寧はわざと習主席を誉めちぎった。





「2020年初頭の1月、中国共産党が流行を隠蔽し、真実を語る医師を弾圧し、虚偽の情報を流したため、パンデミックは武漢から中国全土、世界へと広がった」。





「2020年2月下旬、武漢がまだロックダウン中で多数の死者が出ている中、『大国戦“疫”』という本が出版された。この本は、全世界の人たちがパンデミックで苦しんでいる時、王が習の功徳を称えている。だが、この出版は、国内外で激しい非難を浴びた」。









▲写真 中国・武漢で早くから新型コロナウィルスへの警鐘を鳴らしていた故・李文亮医師(香港 2020年2月7日) 出典:Anthony Kwan/Getty Images





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