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自衛隊をタダで使えるガードマン代わりに東京五輪に派遣するな

Japan In-depth / 2021年7月22日 10時49分

また看護官(看護師)も充足率が低く、自衛隊病院の夜勤のシフトを組むのも苦労している有様だ。有事の際に病院の衛生要員を振り向けることは不可能だ。前線部隊は死傷するまま、野垂れ死にを強要されるだろう。平時でも足りない衛生要員で戦争を遂行できるわけがない。よく「識者」が自衛隊をコロナ対策でもっと活用しろというが、机上の空論である。





このような状態で「自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度」で3個旅団分の隊員を派遣できるとは思えない。





第一に、それで自衛隊の「本業」である国防の任務に穴は開かないのか。夏場は台風や大雨などで自然災害が多くなる季節であり、実際に熱海の水害では多くの自衛官が既に派遣されている。更に大きな災害が起こった場合、大規模な災害派遣に回す隊員が確保できるのか。





英国はロンドンオリンピックでは航空対テロのために、地対空ミサイル部隊などを配備したが、今回そのような任務はないようだ。このような警察などでは対処できないような状況にために派遣をするならば理解もできるが、大半は「警備員」代わりだろう。





本来、警備は主催者と警察で行うべきだ。主催は必要な警備員を、予算を組んで雇うべきだ。





オリンピックといっても所詮外国の興行師がやっている営利運動会に過ぎない。これに自衛官を「ダダで使える警備員」として派遣するのは一種の利益供与にほかならない。8500名の「警備員」をオリンピック(そしてパラリンピック)で雇うならばコストは、パソナなどが中抜するだろうから10億円単位で必要だ。その金を主催者側が濡れ手に粟で儲けさせることになる。









▲写真 国立競技場の前のオリンピックリング(2021年6月23日) 出典:Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images





そしてご案内のように派遣される自衛官の多くはワクチン接種を完了していない。英海軍が現在インド洋、太平洋方面に派遣している空母、クィーン・リザベスは乗組員全員が2回のワクチン摂取を完了していたにも関わらず、多くの感染者を出している。





であればオリンピックに派遣される隊員は罹患する可能性は少ないとは言えないだろう。すでに20日の段階で派遣部隊から感染した隊員がでている。陽性者が全国のそれぞれの部隊に戻って部隊、あるいは地域に感染を拡大する可能性もある。原隊で多数の感染者がでても有事や災害派遣に支障はないのだろうか。





そもそも緊急事態宣言で、民間人には県境をまたいて移動するなとお触れを出しておいて、日本中から自衛官を、また警察官を集めるのは矛盾している。このためオリンピックを強行すれば日本中でコロナ患者が急増する可能性は否定できない。





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