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中国ウイグル問題、日本に飛び火

Japan In-depth / 2021年7月24日 11時0分

中国ウイグル問題、日本に飛び火




澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





「澁谷司の東アジアリサーチ」





【まとめ】





・世界の大企業、ウイグル人強制労働により直接・間接的に利益得ているとの指摘。





・米議会上院は、「ウイグル強制労働防止法案」を全会一致で可決。





・3万社以上も中国に進出している日系企業にも影響が出る可能性。





  





中国の少数民族問題(新疆ウイグル・チベット・内モンゴル等)は、中国共産党にとって、1949年の新中国の建国前からの懸案事項だった。





例えば、『世界ウイグル会議』によると、「ウイグル人たちは(・・中略・・)1933年と1944年に二回独立を果たし、東トルキスタン共和国を建てた。しかし、この二つの政権とも、現地の漢人軍閥や中国共産党の軍事侵入、そして、ソ連の政治陰謀の協力行動によって転覆されてしまった。1949年に、ソ連の援助を得た中国人民解放軍が侵入してきて、最終的に東トルキスタン共和国を征服させた」。





さて、昨今の中国の「ウイグル問題」だが、2014年4月30日、「ウルムチ駅爆破事件」(死者3人、負傷者79人)を契機に、習近平政権はウイグル弾圧を開始した(習主席が新疆ウイグル自治区へ初視察後、まもなく事件が起きている)。





同事件に遭遇した習主席は、ウイグル人に命を狙われたとして激怒し、その復讐のため、2017年以降、数多くのウイグル人を収容所送りにした公算が大きい。









▲写真 テロ事件を受け、パトロールする武装警察 新疆ウイグル自治区首都ウルムチ(2014年6月4日) 出典:Photo by Xiao Lu Chu/Getty Images





オーストラリア戦略政策研究所が昨2020年に発表した報告書(『ヒューマンライツ・ナウ』「売り物のウイグル人-新疆地区を越えての「再教育」、強制労働と監視-」)で、世界の大手企業少なくとも82社がウイグル人たちの強制労働によって、直接的や間接的に利益を得ていると指摘した。ソニー、日立製作所、三菱電機、任天堂、パナソニック、MUJI(良品計画)等と共に、株式会社ファーストリテイリングの「ユニクロ」の名前も挙がっていた。





今年(2021年)4月、同社の柳井正・代表取締役会長兼社長は、ウイグルに関する質問には「人権問題というより政治問題なので、ノーコメント」とコメントを控えた。





同7月1日、フランスの司法当局は、NGOなどの告発を受けて、「人道に対する罪」隠匿の疑いで「ユニクロ」のフランス法人など4社の捜査を始めたことを明らかにした。





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