中国とはどんな国家なのか その4 軍事力の巨大な闇
Japan In-depth / 2021年7月31日 19時0分
その一方、中国側が公表する軍事関連情報を長期に一貫して精査することで得ることが多い領域もある。たとえば2015年の人民解放軍の大改革では中央軍事委員会の全面的な改組、7軍区の5戦区への組み替え、数個の新部隊の創設などが明らかにされた。
その公開情報からは非公開の実態について多様な考察が可能となる。その種の考察のための疑問には以下のような例があげられる。
新しい中央軍事委員会に設けられた合計13の部局や小委員会は相互にどう機能し、どう連携をとり、どんな序列にあるのか。
新たな戦区はどんな構造で、相互にはどんな組織関係なのか。海に面していない西部戦区は東部戦区や北部戦区と機能がどう異なるのか。
人民解放軍のなかでも新しいロケット軍や戦略支援部隊の構造は他の陸海空軍とどう異なるのか。
軍全体としての高度技術の導入はどうしているのか。軍の情報化とはなんなのか。
人民解放軍はどの軍隊でも最大支柱となる下士官をどう養成し、訓練するのか。共産党が軍の各単位に配置する政治委員はどんな役割を果たすのか。
人民解放軍が最新兵器を国有企業システムから調達する方法はどうなのか。習近平主席の唱える「軍民融合」は軍組織にどう影響しているか。
以上がヘリテージ財団報告書の中国の軍事に関する部分の要旨だった。その記述が一連の疑問の提起で終わっている点も象徴的だといえる。人民解放軍の実態については答えよりも問いのほうが多いということだろう。
(つづく。その1、その2、その3)
トップ写真:軍事パレードで行進する中国人民解放軍の兵士たち(2015年、モスクワ) 出典:ロシア連邦大統領サイト
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