1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

五輪・スポーツの描かれ方(下) 忘れ得ぬ一節、一場面 最終回

Japan In-depth / 2021年8月3日 11時0分

そう。この1924年パリ大会あたりから、五輪というイベントが「国を挙げてのメダル獲得競争」へと変質してきたのだと言われている。





この映画については『怪しいイギリス 納得のイギリス映画』(電子版アドレナライズ)の中でも語らせていただいたので、できれば参照していただきたいが、私が今もっとも気がかりなのは、8月24日に開幕が予定されているパラリンピックだ。





すでに大きく報じられている通り、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、全国に緊急事態宣言か、とまで言われる状況の中、政府は依然として五輪の中止はない、としているが、7月末の段階で、日本医師会などはパラリンピック中止もやむなし、との見解に傾きつつあるようだ。





パラリンピックについては、以前にも紹介させていただいたことがあるが、第二次大戦後、ロンドンに亡命していたユダヤ系ドイツ人の医師が、戦争で脊髄に損傷を受けた傷痍軍人たちのリハビリを主目的として「車椅子アーチェリー大会」を企画したのが始まりである。





その後、様々な競技が障害を持つ人に門戸を開くようになり、1960年ローマ五輪の施設跡地を利用して、最初の世界大会が開かれた。そして1964年東京五輪から、正式にオリンピックとパラレルに(並行して)行われる大会と位置づけられた。これがすなわちパラリンピックである。





本連載でも、煩雑を避けるため「五輪」の表記を用い続けているが、本当は「オリンピック・パラリンピック」に外ならない。





第一回パラリンピックの開催地である東京が、史上初めてパラリンピック中止を宣言することになるのだろうか。オリンピックに比べて注目度が低いから、という理由でそうした決定がなされるならば、まさしく





「利権のために日本国民の命を危険にさらしてでも開催した」





と世界に向けて公言したに等しい。





(続く。その1、その2、その3、その4、その5)





トップ写真:東京オリンピック聖火リレースタート(2020年3月25日) 出典:Photo by Kim Kyung-Hoon - Pool/Getty Images




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください