アフガニスタン危機の日本への意味(下)
Japan In-depth / 2021年8月17日 11時0分
もちろんアメリカでは日本との同盟は自国の重要な国益にかなう基本政策として歴代の政権も議会も超党派でその堅持を支持してきた。なにしろもう70年以上の実績がある。
だがそれでもどんな国のどんな対外政策も永遠に不変であるはずがない。ましてアメリカは政府が国民多数の意思によって動く民主主義国家である。日本との同盟も、在日米軍の駐留も、もう必要ない、と決めるというシナリオは起きうるのだ。
日本にとっては日本の固有の領土を軍事手段ででも奪取しようとする中国という敵性の強い国家が存在する。その中国ではつい最近も台湾有事では日本に対して核攻撃をかけるという戦略が動画という形で公表された。北朝鮮も日本を核兵器で海底に沈めるぞ、と脅すほどの敵対性をみせる。
こうした日本への脅威を実際の攻撃や侵略にならないように抑えているのはアメリカの同盟国としての強大な軍事抑止力である。その抑止がなくなるとき、つまりアメリカ軍が日本から去るとき、日本はどうすればよいのか。
アフガニスタンでの悲劇をみると、ついそんなところまで考えさせられるのだ。
(終わり。上、中)
トップ写真:ベトナム戦争の最終日にサイゴンに入城する共産軍の前に、米国大使館の敷地内で米海兵隊のヘリコプターに搭乗する人々(1975年4月30日) 出典:Photo by nik wheeler/Corbis via Getty Images
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