注目集める「循環型ファッション」
Japan In-depth / 2021年8月28日 14時45分
▲写真 お茶の水女子大学附属高校葭内ありさ教諭 ©︎Japan In-depth編集部
家庭科を担当する葭内(よしうち)ありさ氏は、「エシカル消費」(ethical=倫理的な)という観点からファッションのあり方を見つめ直す授業を行っている。「エシカル消費」とは、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動をさす。「安心・安全」、「品質」、「価格」に加え、私たちが商品を選択する基準となることが期待されている。
高校1年次ではエシカルブランド「CLOUDY(クラウディ)」とコラボし、2ヶ月かけてアフリカで用いられている布を使った製品のプロトタイプを考案する。優れた作品は商品化され、渋谷の店舗で実際に販売されるという本格的なプロジェクトだ。
CLOUDYの工場はケニアやガーナなど西アフリカを中心に7か所あり、貧困層の女性や障がいを持つ人の雇用を生み出し、さらに収益で現地に学校を作り、雇用と教育で持続可能な未来を作っている。こうした取り組みを学ぶことで、貧困や人権問題などの社会課題を解決する取り組みついて理解を深めたり、衣服の消費サイクルを学ぶことで地球環境への影響について考えるきっかけとなっている。
葭内氏が授業の中で大切にしているのは、学んだことを発信してもらうことだ。お茶の水女子大学の敷地内には、高校に加えてナーサリー・幼・小・中学校も併設されている。高校1年次では児童労働に関するプレゼンテーションを作成し、小学5年生へ訪問授業を行う。高校2年次ではエシカル消費についての授業を中学1年生に向けて行う。今後は、中学生が幼稚園に教えに行くことも考えているという。
葭内氏は「若い頃からエシカルについてスパイラルに繰り返し学ぶことが大切です。アクションを起こすのには高校生が適していますが、マインドセットを育てるのは早ければ早いほど良い。『幼稚園生はまだ分からない』と言う声もありますが、小さくても教えるとちゃんと理解します」と述べ、幼少期から意識を育てる重要性を強調した。
平成30年に改訂された新たな学習指導要領では、家庭科の内容構成の4項目の中に「持続可能な消費生活・環境」という項目が盛り込まれた。お茶の水女子大学附属高校に限らず、今後の学校教育ではサステナブルな視点を養うことが求められる。
こうした学びを得た学生たちがやがて社会へと飛び立っていく。「循環型ファッション」ということばが当たり前の世の中になるかどうかは、次代を担う若者たちにかかっている。
(了)
トップ写真:「NewMake Labo」のイメージ 出典:東急不動産
この記事に関連するニュース
-
【秋冬の衣替え】不要な服をゴミにしない!個人ですぐできるリサイクル&リユース法
ハルメク365 / 2024年11月22日 20時30分
-
人にも環境にも優しいサステナブルなお買いもの プリスティン「ナチュラルフライデー」開催
PR TIMES / 2024年11月21日 16時40分
-
職場で古着を回収、若手自ら「参加したい」 富士紡ホールディングス ふくのわ(5)
産経ニュース / 2024年11月13日 9時10分
-
Vintage Buyer College【古着の回収と再循環でSDGsを推進する『循環フェス』が京都で開催されました。】
PR TIMES / 2024年11月8日 17時45分
-
チクマ、SMBCで「社会課題解決推進支援融資」を実行
PR TIMES / 2024年10月31日 15時45分
ランキング
-
1「また慶應SFCか」話題のPR会社社長も…なぜ似たような人物が生まれる?元SFC生が語る内実
日刊SPA! / 2024年11月27日 8時51分
-
2兵庫・斎藤知事 PR会社社長の投稿「事前に聞いていなかった」
毎日新聞 / 2024年11月27日 15時58分
-
3「地面師」に10億円の賠償命令 積水ハウスが詐欺被害 東京地裁
毎日新聞 / 2024年11月27日 14時1分
-
4東京・五反田メンズエステ店強盗未遂 手配の27歳容疑者の動画公開
毎日新聞 / 2024年11月27日 16時0分
-
5詐欺未遂疑い、組幹部を再逮捕 闇バイト募集容疑、熊本県警
共同通信 / 2024年11月27日 13時1分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください