「新しい“日本型”資本主義の価値」続:身捨つるほどの祖国はありや 9
Japan In-depth / 2021年9月15日 23時0分
著者によれば、日本の経営者が、経営者に都合の良い部分だけをつまみ食いしようとしても、必ず失敗に終わる。なぜなら、それでは労働者の合意を得られないからだ。逆でも、経営者の合意を得られないから、同じことである。
つまるところ、『長い歴史過程を経て合意に到達した他国の『しくみ』や、世界のどこにも存在しない古典経済学の理想郷を、いきなり実現するのはほとんど不可能に近い』(571頁)という著者の考えに、私は同感する。(上記『『身捨つるほどの祖国はありや』475頁』
そこに私のコーポレートガバナンス論があると思っている。日本にあるコーポレートガバナンス論がダメだと言っているのではまったくない。その進展は素晴らしい。ことに開示を重視している点は特筆に値する。私は、時間がかかると言っているだけなのである。時間がかかる過程は洗練される過程でもある。実質化でもある。新しい日本型資本主義になるのだと言いたければそう呼んでもよい。
価値を生み出すのは、ビジネスしかない。ビジネスはそれぞれの仕事にたずさわっている人々以外のものではない。私はビジネスにたずさわっている方々の実践的知恵と汗をこそ大切に思っている。
失われた30年を40年にしないために、日本はどうすべきなのか、と私はCGネットで7月以来連続講座を主宰している。題して「失われた30年 どうする日本」という。既に田原総一朗さんと対談し寺島実郎さんのお話をうかがった。4000名を超える方々が参加してくださっている。
私は、つい最近亡くなられた池尾和人さんの言われていた、日本の未来を若い人々のために、というお言葉を継ぐ者である。
未来は若者に属する。
かつての若者は、いま、そう考えて動いている。
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トップ写真:日経平均株価を表示するディスプレイを見つめる人 (2020年03月13日) 出典:Toru Hanai/Getty Images
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