「新しい日本型資本主義が必要」森まさこ参議院議員
Japan In-depth / 2021年9月27日 0時15分
新たなブレーン集団「ポリシー・ユニット」を官邸の内閣官房の中に創設することを想定している。これは私の岸田氏への提案だ。
実際に何をやるのかは専門家が決めることだが、私だったら、企業の近視眼的な経営と必要資金の外部流出を招いていると考えられる「四半期開示制度を改正」する。
金融ビッグバン以降、配当額が上がりつづけている。しかし従業員の給料は上がっていない。日本企業の従業員が一生懸命働いて稼いだお金が株主に配当されているわけだが、配当額だけ上がりつづけて従業員の給料が上がらないのはバランスが欠けているのではないか。
投資家は株を買って企業に投資する。企業は投資してほしいから四半期で開示する。しかし投資額は少なくて配当額のほうがずっと多い。資料を見ると投資の何倍も配当しているのではないか。これは本来のビジネスと違う。これもバランスを欠いている。
資金調達をするために、株価を上げようとして、従業員の給料を上げないでいる。役員報酬も上げないでいる。そして株主には配当している。赤字の場合も配当している会社もある。赤字で配当する会社なんて国際社会では異常ではないか。欧米の真似をして金融ビッグバンをやったが、その結果欧米もやってないようなことをする羽目に陥っている。
四半期開示をやめれば、目先の株価にこだわるあまり従業員を大切にすることを見失うことはなくなり、もっと長期的に経営を見ることができる。四半期開示制度を見直すべきだ。
この国は2000年代初頭以降、株主第一主義を取り続けてきた。私が司法試験に合格した頃は、株主は会社の所有者であるがステイクホルダーを大切にする理念があった。私は会計学専攻だが、三方よしの日本ながらの会計学だった。それが、急にアメリカ型新自由主義と株主第一主義が採用されて会社法が改正され、コーポレートガバナンスコードもつくられ、やり方が変わった。
株主のうち3分の1から4分の1は外資だ。そして投資額の何倍もの配当額が株主に配当されている。ということは、日本人の従業員がコツコツと真面目にやってきた、日本の誇るべき製造業の技術その他中小企業が一生懸命地方でやってきた成果が海外に流れている。そして従業員の給料が何十年もまえからずっと上がらない。私が20年以上前に弁護士になったときと、今年弁護士になった人の給料の額は変わらない。おかしいではないか。法制度など大きな仕組み自体を変えないと、会社も従業員やステイクホルダーを大切にしたくてもできないのだ。
この記事に関連するニュース
-
〈初心者向け〉資産運用を開始する前に知っておきたい「金融商品」の最低限の基礎知識【公認会計士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月2日 11時15分
-
日本が「大回復時代」に入ったのは明らか…経済の専門家が〈国内株高の加速〉を予測する“これだけの根拠”
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月2日 10時15分
-
あおぞら銀の総会が物語る「高配当」の減配リスク 崩れた「安定性向」、株主が次々と発した非難の声
東洋経済オンライン / 2024年7月1日 8時20分
-
高配当時代の到来⁉ なぜこれまで日本では「株主軽視」が続き、最近変わりつつあるのか
Finasee / 2024年6月26日 17時0分
-
5万円で買える米国高配当株5選!2024年7月権利落ち分を解説
トウシル / 2024年6月14日 7時30分
ランキング
-
1河野太郎氏、やから発言釈明 「言葉の選び方は慎重に」
共同通信 / 2024年7月3日 20時0分
-
2“症状重く強くなることも”ダニにかまれ…被害増加、医師が注意呼びかけ、布団の中のダニ対策【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月2日 22時10分
-
3潜水艦修理契約で不正か=川崎重工、海自に金品提供疑い―防衛省
時事通信 / 2024年7月3日 19時51分
-
4「64歳まで国民年金納付」案見送りへ、負担増に国民理解を得にくいと政府判断
読売新聞 / 2024年7月3日 13時42分
-
5NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)