デンマークのスタートアップイベント「TechBBQ」でみたNordic Way
Japan In-depth / 2021年10月6日 14時37分
まとめると、世界的に北欧の国々の特徴として認識されている、社会的な信頼と支援、ライフワークバランスの確保、整備されたデジタルインフラの利用をそのままスタートアップの世界に持ち込んだものが、Nordic Wayのスタートアップエコシステムとされる。
実際、グローバル起業家精神・開発指数(The Global Entrepreneurship and Development Institute)が2020年に発表した、デジタルエコシステムとスタートアップエコシステムを統合した新たなインデックス「デジタルプラットフォーム経済インデックス(The Digital Platform Economy Index 2020)[2]」では、全116ヵ国のトップ10に北欧4国(スウェーデン5位、ノルウェー7位、デンマーク8位、フィンランド10位)がランクインされている。このインデックスでは、プラットフォームベースの経済の持続性を確保するため、ユーザーのプライバシーの保護状況、独占的な活動の阻止・禁止状況、データ保護のための政府による法規制の整備状況、プラットフォーム内の需要と供給のギャップを埋めるための起業家の活動の支援状況等について調査している。小国にもかかわらず北欧各国の健闘具合が見て取れる。
開催国であるデンマークに焦点を当てると、スタートアップのための政府による様々な支援システムがある。EU圏外からデンマークに移り住んだ起業希望者に対して、デンマーク法務局(Danish Business Authority)の傘下組織が「Start-up Denmark」というスキームを実施している。この組織がメンターとなり、事業計画等を作成するためのアドバイスや就労ビザ取得の支援等をおこなっている[3],[4]。また、多くの自治体やエリアにビジネスハブがあり、国籍問わず、起業希望者のために、ビジネスを行う際に関連する法・規制等を教えるセミナーや相談会等が開催されている[5],[6]。
また、デジタルインフラとして、法人登記および情報変更はオンラインで行い、登記した情報は企業データベースVirk.dkを通じて一般公開されるので、多数の人に自社の存在を認知してもらう機会を得ることができる。
そして、企業におけるライフワークバランスという面からみると、一部を除く多くのスタートアップが、従業員の休暇取得の推進、スマートフォンやパソコン等の必要ツールの貸与を行っており、仕事とプライベートを分けることが可能である。
この記事に関連するニュース
-
JICとAtomico 、日本のスタートアップエコシステム発展に向け「Innovation Summit Learnings from the European tech ecosystem」を開催
PR TIMES / 2024年11月15日 18時45分
-
ケップル、「スタートアップで働く」を科学するメディア「Startup Career」をリリース
PR TIMES / 2024年11月14日 10時45分
-
東京都の「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」協定事業者採択について
PR TIMES / 2024年11月7日 15時40分
-
01Booster、India AcceleratorとMOUを締結し、スタートアップの日印進出相互支援を開始!
PR TIMES / 2024年11月5日 11時45分
-
若手女性研究者に特化した起業支援プロジェクト「WISER」を開始
PR TIMES / 2024年11月3日 3時40分
ランキング
-
1「また慶應SFCか」話題のPR会社社長も…なぜ似たような人物が生まれる?元SFC生が語る内実
日刊SPA! / 2024年11月27日 8時51分
-
2斎藤氏代理人が午後会見へ 兵庫知事選、PR会社問題
共同通信 / 2024年11月27日 11時17分
-
317年未解決の『加古川女児殺人事件』ついに…服役中の勝田州彦容疑者(45)を逮捕 兵庫・加古川市
MBSニュース / 2024年11月27日 10時25分
-
4リクルート元社員の男2人再逮捕=別の女性にも睡眠薬、性的暴行か―警視庁
時事通信 / 2024年11月27日 11時39分
-
5養殖トラフグ7000匹以上大量死、下関のいけす…イワシ大群押し寄せ浮かび始める
読売新聞 / 2024年11月27日 8時9分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください