政略結婚こそ「王道」であった 王家の結婚とはなにか その1
Japan In-depth / 2021年10月14日 11時0分
オーストリアのハプスブルク家とフランスのブルボン家は、ヨーロッパ中央部の覇権をかけて、200年以上の長きにわたって対立関係にあったのだが、18世紀になると、ドイツ語圏においてプロイセンが台頭してきたため、マリア・テレジアはこれを牽制すべくフランスとの和解を模索したものであるとされる。
そう。1789年のフランス革命において、王政が打倒されて囚われの身となり、1793年に断頭台(ギロチン)の露と消えた王妃も、ハプスブルク家の出なのである。今日に至るも「悲劇の王妃」と言い伝えられているが、フランス革命について基礎的な資料だけでも読めば、自業自得という言葉を、どうしても思い浮かべてしまう。
ただ、彼女自身が、命をもって償わねばならないほど悪いことをしたのかと言われれば、私個人としては、そう決めつける気にもなれないのである。たとえば、パンをよこせ、と訴える労働者のデモが起きたと聞いて、
「パンがなければお菓子を食べればいいのに」
と言い放った、と伝えられているが、彼女が本当にそんなことを言ったと確信できる資料には未だ出会えていない(私は基礎的な文献しか読んでいないことは明記しておくが)。
控えめに言っても「話を盛っている」可能性が高いと思う。
ただ、ここでひとつ述べておきたいことは、ハプスブルク家の皇女として生まれ、政略結婚の結果フランス王妃となったことは、彼女の宿命であり、そこにはやはり「立場に伴う責任」があると考えざるを得ないのである。
ギロチンでの刑死という最期を思えば、自業自得は言い過ぎだったかもしれない、という気持ちも私の中にはあるのだが、要は、彼女が持って生まれた「血筋の価値」が最終的にこの悲劇を招いたことは間違いない。
歴史をひもとけば、フランス王家の「悲劇」にとどまらず、こうした価値観ゆえに色々とおかしなことも起きている。
次回はその話を。
トップ図:マリー・アントワネット(1755-1793) 出典:Photo by Hulton Archive/Getty Images
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