仏で使い捨てプラスチック廃止加速
Japan In-depth / 2021年10月22日 15時10分
現在は、その計画が着々と遂行されている最中である。2020年1月1日~は使い捨てのプラスチック製のカップ、グラス、皿が禁止され、2021年1月1日からは、ストロー、ナイフ・フォークなどが禁止された。
また、2022年1月1日からは、野菜・果物の包装、新聞・雑誌・広告の包装の禁止となる予定である。カットフルーツや傷みや崩れやすい果物・野菜はしばらくのあいだは包装して販売できるが、2026年6月末までに段階的に全廃する方針だ。この結果、年間10億以上の包装容器類が削減できるとしており、2023年からは、店内飲食用に再使用できるカップ、グラス、カトラリーの使用も義務付けられる予定だ。
また、EU全体では、自然界にペットボトルの蓋(キャップ)が落ちないように、2024年までに最大3リットルのペットボトルのキャップはボトルに取り付けることも決められている。
このように、今ではEUのプラスチック削減のリーダー的存在になっているフランスでは、着実にプラスチックの削減が実行されていっている。今年に入り、ガス不足による値段高騰からもわかるように、化石燃料の輸入依存を削減していかなくてはいけないのは明白である。今後もプラスチック削減計画を中止することはないだろう。
■ 現在、フランスで使用されている物の紹介
ところで、ペットボトルに取り付けられたキャップ(落ちてどこかに行かない蓋)とはどういうものだろう。
ファンタ、スプライトも所有しているコカ・コーラも2022年末までには、ボトルから離れないこの方式のキャップにすると表明しており、着実にEU内で増え始めている形態だ。
現時点のところ、フランスにはこういったキャップは2種類ある。
一つ目は、蓋を回して締めるタイプのボトルに取り付けられたキャップ。うまく閉まらない時もあり、水が漏れるときもあるのでちゃんと閉められているか確認が必要。
▲写真 ペットボトルに取り付けられたキャップ(筆者撮影)
二つ目は、薄い蓋をパチンとはじいて開けるタイプのキャップ。
フランスでは、2018年にクリスタリンというミネラルウォーターの会社が、最初にこの形式のキャップを使用始めた。当時はカバンに入れておくと蓋が何かの拍子に開いてしまい、カバンの中が水浸しになって苦情が話題になったこともあったが、現在ではボトルにキャップが付いている形式の実績が長い先駆者と評されている。日本で販売されているクリスタリンは、普通の回して開けるタイプの、厚めのキャップが主流だが、キャップが薄いとプラスチックの使用量も減ることも大きなメリットだ。
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