【ファクトチェック】自民党岸田文雄総裁「現在法人税最高税率は23.2%、財源としては10.8兆円ほどあります」は“ほぼ正確”
Japan In-depth / 2021年10月24日 0時0分
Japan In-depth編集部(内橋優斗)
【まとめ】
・党首討論で、自民党岸田総理が、現在の法人税について発言
・「今の法人税、財源としては、10.8兆円ほどあります。」
・10.8兆円は最新の法人税収と異なる。この発言は間違いではないが、“ほぼ正確”。
2021年10月17日「【衆院選2021】ネット党首討論(主催:ニコニコ)」に出演した岸田文雄氏(自民党総裁)の発言を検証する。
10月17日に、岸田氏は、立憲民主党の枝野幸男代表に対して、
「枝野さんは、確か所得税については、所得1000万円についてはゼロにする」と尋ね、続けて、
「そうしますと、法人税、どのぐらい上げるのだろうなということを考えています。減税規模20兆円ぐらいになってしまうのではないか。今の法人税、最高税率23.2%、財源としては、10.8兆円ほどあります。そのことを考えますと、法人税3倍くらいにしなければいけないのではないか」と発言した。(動画:31’36”頃)
今回、この「法人税、最高税率23.2%、財源としては、10.8兆円ほどあります」という発言について検証する。
検証に当たり、岸田氏の発言が適切であるか、最新のデータに基づいているのか、大きく分けて、法人税の「当初予算」「補正後予算」「決算額」の3つの側面に注目する。
まず、法人税の「当初予算」に着目する。国税庁の|国税庁レポート2020|国税庁レポート|活動報告・発表・統計|には、国の収入(令和2(2020)年度一般会計歳入(当初予算))のなかで、租税及び印紙収入63.5兆円の内訳として、法人税12.1兆円と記載されている。
▲図 令和2(2020)年度一般会計歳入(当初予算) 出典:国税庁
このことは、令和2年度(2020年度)の当初予算で、法人税が12.1兆円入ることを見込んでいたことを意味するが、当初予算でも、10.8兆円という数字は出て来ず、岸田氏が発言した数字は、最新の法人税の当初予算には、該当しないことが分かる。
次に、法人税の「補正後予算」に着目する。財務省の資料によると、一般会計推移のグラフで、法人税が10.8兆円と確認できるのは、令和元年(2019年度)の決算額であって、令和2年(2020年度)補正後予算額で8.0兆円、令和3年(2021年度)予算額で9.0兆円と、岸田氏の発言と実際の予算ベース法人税の額には、少なくとも、1.8兆円の差がある。このことから、岸田氏の発言は、令和元年度の法人税の決算額と一致するが、令和2年度の補正後予算とは一致していない。
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