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主要メディアはなぜコロナウイルスの大ニュースを報じないのか

Japan In-depth / 2021年10月31日 18時0分

こんな疑問に襲われるのは決して私だけではないだろう。





感染者がなぜこれほど減ったのか。この疑問に正面から答える専門家の回答もまず目にも、耳にもつかない。だが別に専門家の知識に頼らなくても、ワクチン接種の急速な拡大がその主要な原因だとみられることは、常識の範囲で明白である。









▲写真 パチンコ屋でワクチン接種を受ける女性、大阪にて(2021年10月13日) 出典:Photo by Carl Court/Getty Images





日本でのコロナウイルス防止のためのワクチンは全世界でもトップ級のところまで接種率を高めた。日本国民全員の70%以上がもはや2回のワクチン接種を済ませたのだ。感染者の減少はこの数字の増加とほぼ一致している。





だが主要な新聞もテレビもその動きにも、背景にも、原因にも、きちんとした光を当てない。「またリバウンドがあるかもしれないから注意しよう」という種類の警告を伝えることばかりなのだ。





だが起きるか起きないか、まだわからない将来の事態に光の中心をあてるよりも、まず目前の現実を報じ、論じてほしい。それこそがジャーナリズムの本来の責務だろう。





この報道の偏向は日本政府、とくに菅義偉政権のコロナ防止対策への高い評価を与えることを嫌がる結果なのだろうか。そんな断定はしたくないが、いまの報道の偏りは、そんな推測をも生んでしまう。





日本政府の水際対策も効果を発揮したといえるだろう。





私自身は最近、アメリカから日本に戻り、東京では2週間の隔離を強いられた。9月中旬にワシントンから東京に戻った私はとっくにワクチン接種は2回とも済ませていた。だが日本への入国ではワクチンの接種のいかんはまったく問われないのだ。





しかもコロナ感染を調べるPCR検査はワシントンで東京行きの航空機に乗る直前に済ませ、陰性の結果が判明していた。それでも成田空港に着くと、その場でまたまたPCR検査を強制された。





それからの2週間、自宅で自らを隔離したが、その期間は毎日、スマホの特別アプリで体調と所在をチェックされた。厳しい検査だった。スマホでの対応をつい2,3日、怠ったところ、自宅の玄関のベルが鳴り、「厚生労働省からきました」という人物がチェックにきたのには驚かされた。





どんな人間にとっても2週間、どこへ出てもいけない、というのは大きな犠牲や苦痛をともなうといえる。私自身も東京での仕事が大幅に制限されてしまった。アメリカから日本に入国、帰国する人間にはすべてこの制約が課されるから、アメリカからビジネスで日本にくる人がいなくなるのは自然だろう。





だがそれでもこの種の厳しい入国の制限や制約が日本国内での新型コロナウイルスの感染の防止に役立つならば、意義があるということである。





私自身、そんな自分自身の体験があるからこそ、日本国内、東京都内での感染者の増減にはとくに細かな注意を向けることとなった。そしていまや感染者数がつい最近の100分の1,200分の1に減るというドラマチックな現象を目撃するにいたった。





だが日本の主要メディアはこの画期的な出来事をなぜか大きなニュースとはみなしていないのだ。





**この記事は日本戦略研究フォーラムの古森義久氏の連載コラム「内外抗論」からの転載です。





トップ写真:飲食店の時短要請が解除された東京・有楽町の飲み屋街(2021年10月25日) 出典:Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images




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