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中国「台湾侵攻」の可能性は低い

Japan In-depth / 2021年10月31日 23時0分

中国「台湾侵攻」の可能性は低い




澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





 【まとめ】





・中国は台湾の防空識別圏に記録的な数の中国軍機等を4日連続で送り込んだ。





・台湾の蔡総統は、中国とのいかなる統一も拒否すると断言。





・バイデン氏「台湾防衛責務発言」もあり、中国「台湾侵攻」の可能性は著しく低いのではないだろうか。





 





昨今、中国の「台湾侵攻」がまことしやかに囁かれている。確かに、中国側には、それを裏付けるような言動が見られる。





今年(2021年)7月、習近平国家主席は「中国共産党創立100周年」を記念して天安門広場で演説を行った。その中で、「『台湾独立』に向けたいかなる試みも『完全に粉砕する』」と強調した。習主席は(従来の主張である)台湾への「武力統一」も辞さない構えをみせたのである。





そして、10月初旬、中国は台湾の防空識別圏に記録的な数の中国軍機等を4日連続で送り込んだ。





同月1日、中国の戦闘機等延べ38機が、同防空識別圏に進入した。翌2日、39機が同識別圏を横切った。3日、16機が同識別圏に侵入している。更に、4日、延べ56機(1日当たりで過去最多)が同識別圏に入り込んだ。





10月9日、習主席は「辛亥革命110周年記念大会」で演説し、「台湾統一を果たさなくてはならない」と述べた。ただ、台湾との「平和統一」を主張し、「武力統一」には言及していない。





翌10日、北京政府は、中国軍が最近実施したという「台湾上陸作戦」の映像を公開した。無論、台湾を牽制する狙いだろう。だが、本当に台湾への上陸作戦を行う予定ならば、わざわざその映像を公開したりするだろうか。





同日、台湾では「中華民国建国110周年」が行われた。蔡英文総統は演説の中で、「(1)自由と民主主義の憲法体制を永遠に堅持し、(2)中華民国と中華人民共和国は互いに従属しないことを堅持し、(3)(台湾の)主権を堅持し、(中国による台湾)併合を許さない、(4)中華民国・台湾の将来は、台湾全人民の意思に従う事を堅持する」と述べている。





「本土派」の蔡総統としては、「台湾は中国との、いかなる統一も拒否する」と強調した。そもそも台湾人民が総統選で民進党の総統を選出したのは、中国共産党に台湾を支配されたくないからである。









▲写真 大統領選に勝利した後演説する、蔡英文中華民国総統(2020年1月11日に台湾の台北にて) 出典:Photo by Carl Court/Getty Images





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