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アラブの石油王と結婚する方法 王家の結婚について その4

Japan In-depth / 2021年11月2日 11時0分

その場合、超えねばならないハードルがある。第一はもちろん宗教だ。





実は私の、少林寺拳法の後輩にあたる日本人女性が、やはり少林寺拳士であるところのインドネシア人男性と結婚したが、彼女は出国前に改宗してムスリム(イスラム信者)となった。ムスリムに限らず外国人は一般に、日本人はみんな仏教徒だと思っているので、改宗を要求されるわけだ。外国人拳士には、必ずしも金剛禅総本山少林寺の門徒たることを求めていないので、こういう事にもなる。





日本人女性として初の国際結婚をしたクーデンホーフ光子(1874~1941)も、カトリックに改宗している。彼女の場合、日本ではご多分に漏れず、仏教を篤く信仰していたわけではないので、改宗と言うより入信ではないかと私は思うが、その話はさておき。





イスラムと言うと、奥さんを4人持つことができる、という話ばかりが日本ではよく知られている。現実に、あのデヴィ夫人はインドネシアの初代大統領スカルノの第3夫人であった。









▲写真 デヴィ夫人(1960年1月1日) 出典:Photo by Alain Dejean/Sygma via Getty Images





しかし、ここには大いなる誤解がある。





たしかに『コーラン』にも、4人までの妻帯を認める記述があるが、イスラムが普及する以前、中東の部族社会にあっては、富と権力を持つ男性が多くの女性を独占することができた。これでは「生涯未婚」の男性が増えすぎて社会の安定が損なわれる、ということで「4人までに制限した」というのが正しい理解なのである。





しかも、教義に照らせば4人の妻は同じ家に住まわせ、平等に愛することを義務づけられるので、よほどの豪邸住まいか、敷地の中に複数の家を建てられるような人でないと、複数の奥さんを持つのは無理だという話になる。





実際、前シリーズで紹介させていただいた若林博士は、中東での生活が長かった元外交官だが、





「述べ1000人近いムスリムと交流したけど、複数の奥さんを持ってる人なんていなかった」





と語ってくれたことがある。もっとも私の方では、マドリードの語学学校で知り合った、サウジアラビア人の学生から、母上は第3夫人できょうだいは全部で17人もいる、という話を聞かされたことがある。そういう家庭もあるが、ごく少数だということなのだろう。





話を宗教に戻すと、ムスリムの男性は仏教徒との結婚は認められないが、キリスト教徒ユダヤ教については、この限りではない。





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