なりふり構わぬ文在寅政権の「情報操作」
Japan In-depth / 2021年11月4日 23時0分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・教皇庁公報室の報道資料には北朝鮮訪問関連の内容は全く無いにもかかわらず、韓国大統領府はさもあるかのような情報を流した。
・韓国の国家情報院は、故金日成主席、故金正日総書記父子の写真を撤去したと伝えたがこれもフェイク情報。
・文政権は金正恩との首脳会談の実現のためにとんでもない情報操作を行っているため、注意が必要である。
韓国での左派従北政権継続のため、来年3月の大統領選挙前になんとしてでも「南北首脳会談」にこぎつけたい文在寅大統領は、北朝鮮との「終戦宣言」で米国との協議が順調に進んでいるかの如き情報を流す一方、「ローマ教皇訪朝約束」や「金正恩格上げ情報」などを流す露骨な情報操作を行っている。
1、「ローマ教皇訪朝約束」の偽情報流す韓国大統領府
主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席のためにイタリア・ローマを訪問した韓国の文在寅大統領は10月29日、ローマ教皇庁を訪問し、フランシスコ教皇にまたもや北朝鮮訪問を提案した。提案に対して法王は「招待さえしてくれれば、平和のために喜んで行く」と答えたと11月1日に韓国大統領府のパク・ギョンミ報道官が明らかにした。しかし教皇庁公報室の報道資料には北朝鮮訪問関連の内容は全く無かった。
また韓国大統領府は10月30日にジョー・バイデン大統領に会い、「ローマ教皇が招待されれば北朝鮮を訪問すると述べた」と伝えた所、バイデン大統領が「うれしい便り」としながら「(韓半島問題の解決に向けて)進展を成し遂げていると答えた」と書面ブリーフィングした。だがこれもフェイクだった。文大統領とバイデン大統領は2~3分間「遭遇」したにすぎず、立ったまま軽く挨拶しただけだ。当然ホワイトハウスはこの「遭遇」に対して報道資料を出していない。
韓国メディアがこうした事実を追求すると、韓国大統領府は火消しに乗り出した。パク・ギョンミ報道官は11月2日に「教皇は暖かい国の出身、冬に動くのは難しい」と無知な発言(アルゼンチン南部には零下20度以下の地域がある)で逃げをうち、11月3日には、KBSラジオとのインタビューで「教皇の訪朝時期は来年2月の北京冬季五輪前後になるか」との質問に、「時期については予断を許さない。教皇の訪朝は作られるイベントではなく、それ自体が崇高な行いなので、これまでの宣言のようなものとは結びつかず、それ自体で見てほしい」とし、事実上訪朝の約束がなかったことを認めた。
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