ハリス米副大統領は「落ちた偶像」か
Japan In-depth / 2021年12月8日 19時0分
だからその種のメディアは共和党のドナルド・トランプ政権の動きに対しては批判的、否定的な報道を仮借なく、大量に、しかも継続的に流す。だがその一方、とくにバイデン政権に限らず民主党政権に対しては批判的スタンスはきわめて少なくなる。そして民主党政権の前向きで、建設的で、効率のよい動きは大々的に報道する。
この傾向をハリス副大統領に当てはめて考えると、その動向の報道が少ないのは前向きの材料が少ないからだという答えが出てくる。ポジティブなことを報じたくてもその材料がないわけだ。
この傾向はアメリカ一般でも、民主党内でもハリス副大統領への評価が激しく低落したことで立証される。USAトゥデー紙などの最近の世論調査ではハリス副大統領への支持率がなんと28%にまで急下降という結果が出た。ふつうどの副大統領でも就任1年後ごろの現時点では支持率は40%台というのが慣例だったのだ。だから記録破りの不人気ということである。
しかしアメリカ国内ではハリス副大統領の人気がなぜ落ちるかを説明するような報道は一部のメディアからはきちんと発せられる。民主党びいきではない少数派の新聞やテレビからである。
実例をあげよう。
いまのアメリカ社会にとって最大危機の一つは、違法入国者の大量流入である。中米各国からメキシコ領を経由してアメリカに入国しようとする男女の数はものすごい数に達してきた。バイデン政権の誕生以来、アメリカ領内で拘束された違法入国者が160万人にもなったというのだ。この原因は一言でいえば、バイデン政権のあまりに寛容で無秩序な入国管理政策にある。
今年3月、ハリス副大統領はこの違法入国者対策の最高責任者に任命された。だが彼女は現地の国境地帯に行こうとしなかった。首都ワシントンから空路で数時間というテキサス州やニューメキシコ州の国境地帯に出かけていこうとしないのだ。
ハリス副大統領はそのことで非難を浴びて、NBCテレビの記者に「なぜ国境地帯にいかないのか」問われると、怒りを爆発させ「私はいろいろな国境へ行っている」と言い訳にならない答えをしてさらに批判を招いた。
ハリス副大統領がごく短時間、国境地帯を通過するように動いたのは今年6月だった。
▲写真 ハリス米副大統領、初の海外出張で訪れたメキシコにて(2021年6月8日、メキシコシティのベニートフアレス国際空港) 出典:Photo by Hector Vivas/Getty Images
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