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仏熱狂「ワンピース」第100巻初版25万部

Japan In-depth / 2021年12月14日 11時0分

・なぜ『ワンピース』がフランスでこれほどまで人気なのか?





日本と文化ベースが違うはずのフランスで、これほどまでに『ワンピース』の人気が出た理由はなんだろうか?フランスの高尚な文化を紹介することでも知られている「フランス・キュルチュール」の『ワンピース』の記事で、フランスの漫画家レノ・ルメール氏が語っている内容を3つほど紹介したい。





まず、その前に知っておいて欲しいのが、日本のマンガが人気がある理由として「少年・少女」が主人公になっていることが挙げられる。マンガが登場する以前のフランスには、10代の若者を対象にしつつも、大人になっても読めるような読み物があまりなかったのだ。





例えば、フランスで人気の子供用のBD『アステリックス』を見てみても、主人公は子供のように背は小さいのだが、子供ではなくひげを生やしたおじさんだ。そしてすごい皮肉が多く、なんだか子供の素直な気持ちを反映したものではない。





フランスでは、子供は小さな大人と呼ばれていたことからもわかるように、大人社会が中心であり、子供の世界は重要視されなかった歴史が影響しているだろう。「少年・少女の心」が置き去りにされがちだったのである。そのため、「少年・少女」だけではなく、「少年・少女の心を持つ大人」も楽しめるマンガは大きく人気を獲得していくようになった。





1. 他の日本の少年マンガと違う理由





しかし、同じく日本のマンガである『ナルト』も、『ドラゴンボール』も「少年・少女」が主人公になっているのにもかかわらず、なぜこれほどまでに『ワンピース』が人気なのだろうか?





その理由を、ルメール氏は、『ワンピース』は全てが最初にセットアップされているからだと説明する。多くの場合、週刊マンガで発表される日本のマンガは、最初はどこに向かうのか誰も知らない状態からはじまり、読者から意見を聞いて人気具合によって登場人物が消えたり話が変わったりしていく。しかし、物語というのは話者が作り出していくことが基本だ。作者の尾田栄一郎氏は、全てを最初にセットアップし、よいストーリーを生み出す作家であるというのだ。





2. 作者の尾田栄一郎のコンセプトは独創的





また、“ONE PIECE=ひとつなぎの大秘宝”を見つけなければならず、それを手にしたものが“海賊王”になるとされているのだが、しかし、作者はそれがいったい何であるかは決していわない。登場人物が誰もが「ONE PIECE」について話しているのに、それが何であるかを誰も何もいわないのだ。冒険はこの宝物の発見で終わるのだとは予測するが、不思議なことに100巻を過ぎても読者はこの宝物が何であるかわかっていない。これが独創的であり、設定としていい。





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