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どうなる成人式(上)民法改正「18歳成人」に思う その1

Japan In-depth / 2022年1月12日 7時0分

「今日から大人です。その自覚を持ち、祖国復興のため頑張って下さい」





といった訓示をする「成年式」が行われた。現在も蕨市では成人式でなく成年式と呼び、市内には「成年式発祥の地」という碑もある。





このイベントが大好評で、近隣の市町村から各地に広まっていった。その情報が当時の日本政府にも達し、新成人のための祝日を設けてもよいのでは、という気運が高まった。





かくして1948(昭和23)年に祝日法が改正され、新たに1月15日が「成人の日」と定められたのである。





1月15日が選ばれた理由については諸説あるものの、最も有力なのは、古来この日は「小正月」であり、武士階級の子弟が元服の儀式を行うことが多かったから、とする説であると聞く。





そして、こちらもよく知られる通り、1998年に祝日法が改正され、世に言う「ハッピーマンデー法」が2000年より施行されている。この改正に伴い、成人の日は1月の第2月曜日ということになった。





この改正に伴い、成人式の参加資格についても、従前は、





「前年の〈成人の日〉の翌日から本年の〈成人の日〉までに誕生日を迎える人」





とされていたものが、





「前年4月から本年3月までに成人を迎える人」





とされた。言うまでもなく民法改正前の話で、この場合の成人とは20歳と同義である。





ともあれ、この改正によって、早生まれの人たちが、ほとんど知らない人たち(学年が違うので)と一緒に式典に出なければならない、といった不利益を被ることがなくなったとして、好評であったと聞く。





いずれにせよ、成人を祝うイベントは世界各地にあると前に述べたが、これだけ大々的に催されるのは希有な例だといえる。





なおかつ大半の女性が振袖を着て参加する(これについては、後述)ことから、なんとなく古来の伝統行事のように思われている節があったのだが、本当はここまで見てきた通り、戦後に始まった歴史の浅いイベントであり、法的根拠などなきに等しいのである。





もう少し具体的に述べると、成人の日という祝日は法律で定められたものだが、成人式は各市町村が独自に企画・運営するイベントに過ぎない。





したがって、各地方の事情によって開催日も実は結構まちまちである。雪深く、新成人の多くが進学や就職のために都会に出ている、という地方では、5月の連休や夏のお盆休みといった帰省シーズンに成人式を執り行う例も少なくない。





かつては高卒の新人を毎年採用していたメーカーや百貨店が「社内成人式」を催す例もあったが、バブル崩壊後は廃れてしまったようだ。ただ、自衛隊では今でも、勤務との兼ね合いで故郷の成人式に参加できない者も多いため、各隊で独自に成人式を行っている。





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