拍手禁止は「議会の掟」? 富山県高岡市カラス問題 その4
Japan In-depth / 2022年1月15日 18時44分
出町譲(高岡市議会議員・作家)
【まとめ】
・カラスの生息数の実態調査の質問に対し、高岡市の部長は「当面は捕獲に専念」と回答、落胆した。
・しかし、傍聴人から、議会では禁止されている異例の拍手が。
・議員は、市民の共感を得る努力をしなければならない。市民ファーストを貫くことが大事。
いよいよ12月14日、一般質問の最終日。会派「高岡愛」の3人は午前8時半に市役所に集まりました。本会議スタートまでの1時間半、3人がお互いに批評し、練習したのです。若葉マークの新米議員としては、何より練習です。
いざ本番です。「高岡愛」は午後1時から、熊木議員、嶋川議員、そして私が順番に質問に立ちますが、嶋川議員の質問に対して、高岡市の当局側は、ほとんど答えを返していないように、私には思えました。
そんなことを考え込んでいた時、ふいに私の名前が呼ばれました。嶋川議員に対する答弁が予想より短く、不意打ちを食らいました。
「議長、7番」。私は声を上げ、席を立ちました。そして、緊張しながら議場を歩きました。事前に書いた原稿をプリントアウトして、議場に立ちました。なるべく、原稿を読まずに、正面を見据えて、声を張り上げました。
私の質問は6つありました。そのうち、特に強調したかったのは、カラスの生息数の実態調査です。ねぐらがあると言われているのは、古城公園。市民の憩いの場だけでなく、高岡市の観光名所です。その近辺で生息数の調査を求めたのです。
こんな質問を行いました。
―カラスは増えている、という市民の声をよく聞きます。カラスの糞の掃除を毎日している人は、「コロナのせいで、カラスが増えた。古城公園を歩く人が減り、人目を気にしなくなったカラスが産卵しやすくなった」と分析しています。
素人感覚ですが、本当に、増えているのか。現状把握が急務です。
カラスは早朝にエサ場に向かい、日中はエサ場周辺で回遊し、夕方にねぐらに戻る習性があります。したがって、この習性に従って、早朝にねぐらから出るカラス、夕方、ねぐらに戻るカラスの数を数えれば、カラスの生息数がわかります。
そこで、カラス対策について、1つ目の質問です。
古城公園にカラスのねぐらがあると言われていますが、生息数の調査を実施する考えはあるのでしょうか。お尋ねします。―
画像)質問をする筆者
出典)筆者提供
その回答は、どうだったのでしょうか。答弁したのは、高岡市の部長です。
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