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「米外交優先順位の先祖返り」と主要国「国内格差拡大」が最大リスク

Japan In-depth / 2022年1月18日 23時0分

今週最も気になったのは米内政の劣化である。某商社系シンクタンクの畏友は「バイデンは『国対』が得意」と書いたが、その通り、同大統領は中道政治家として、米議会内の左右のバランスをとることで政治的に生き残ってきた。だが、その成功の根源はこれまで議会内の分裂が決定的ではなく、中道政治家にも出番があったからだ。


今の米議会はどうだろう。共和党はトランプ主義者に乗っ取られてしまい、妥協する有力政治家は消えていく。民主党内もリベラルの連中は譲歩しないので、党としてのコンセンサスはできない。上院では、わずか一人の、ウェストバージニア州だったかの民主党議員に振り回されている。これではバイデンの出番は見えてこない。



写真)民主党のジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州選出)。
出典)Photo by Drew Angerer/Getty Images


そもそも米大統領は議会に働きかけ自分自身の「目玉政策」を勝ち取ってナンボの世界である。現在バイデン政権の目玉は「1.9兆ドルの歳出予算案」だが、コロナ禍によるボトルネック、インフレ、移民、医療保険などの問題に直面し、動きが取れない。これでバイデンは中間選挙に勝てるのか?コロナ禍収束の程度次第ということか。


〇アジア 


先週末、遂に北京でオミクロン株感染が見つかったそうだ。CNNによれば、患者は北京市民の女性で感染者との接触はなく、カナダから届いた郵便物で感染したと中国メディアは報じているそうだ。おいおい、どうせフェイクニュースを流すなら、もう少しよく考えて流さないと逆効果になるという典型ではないかね?


〇欧州・ロシア


 男子テニスのジョコビッチ選手の豪州入国ビザが取り消され、同選手は国外追放になった。当然だろう、スポーツマンならルールを守るべきだし、オーストラリアは法治国家であることを証明した。ところが、母国セルビアではジョコビッチ擁護論が高まっているらしい。これもナショナリズムの弊害なのだろうか・・・。



写真)豪政府からビザが取り消され滞在先のホテルをあとにするジョコビッチ選手(2022年1月16日 豪・メルボルン)
出典)Photo by Diego Fedele/Getty Images


〇中東


 中東産原油の先物が値上がりし、約7年2カ月ぶりの高値を付けたそうだ。アラブ首長国連邦(UAE)の首都にイエメンのホーシー派によると見られる攻撃があったためだという。これはホーシーというよりも、イランが裏にいるのかもしれない。UAEにもこうして手を出すようになったとは・・・。湾岸産油国の治安は大丈夫なのか?


〇南北アメリカ


 最近の米マスコミは「トランプの政治活動再開、2024年大統領選出馬」の可能性を盛んに報じている。しかし、問題はトランプがいなくなっても、トランプ現象は残り、トランプよりも賢いトランプ主義者が次期大統領になることではなかろうか。今の民主党を見ていると、この可能性も捨てきれないから、恐ろしい・・・。


〇インド亜大陸


 特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


トップ写真)バイデン米大統領(2022年1月14日 ワシントンDC.)
出典)Photo by Chip Somodevilla/Getty Images


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