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戦争準備から国内安定へと舵を切った中国

Japan In-depth / 2022年1月19日 7時0分


写真)失脚した薄熙来氏(中央)(2013年9月22日 北京市)。
出典)Photo by Feng Li/Getty Images


第3に、沈舟は「2020年と2021年1号軍令では、第1項で全軍が『習近平の軍事強化思想を実行し、新時代の戦略的軍事政策を遂行する』ことが強調された。だが、2022年の軍令では同様の文言が消え、『党中央委員会と中央軍事委員会の意思決定指示を実行する』に置き換わっている。これは、中国共産党が2022年に軍事戦略を実行できないことを示す」と解釈している。ひょっとすると、習近平主席の軍に対する権限が制限されたのかもしれない。仮に、この解釈が正しいとするならば、習主席の一存では開戦しにくいだろう。


第4に、沈舟は「2022年、中国軍の主な任務は対外的なものではなく対内的である。習主席が第20回全国代表大会で主席に再選されるようサポートする。これが2022年の新たな“闘争の様相の変化”だ」と分析している。


写真)中国人民解放軍のパレード(2019年10月1日 北京)
出典)Photo by Andrea Verdelli/Getty Images


年明け、中国共産党の雑誌『求是』は、昨年11月11日、第19期第6中全会での習近平演説全文を掲載した。その中で、習主席は「大きなリスクと強力な敵に直面し、常に平和に暮らしたい、闘いたくないというのは非現実的だ」(『求是』〔2022年第1期〕「歴史を教訓とし、未来を切り開き、懸命に努力し、勇敢に前進する—習近平」2022年1月4日付)と語っている。


この部分に関して、沈舟は「この言葉こそ、共産党の内部闘争の実態を十分に反映しているはずだ」と論文の中で主張している。


他方、習演説の中には、「国家と人民の利益を奪い、党の政権基盤を蝕み、社会主義国家の政権を揺さぶり、党内で政治集団、利益集団作りにいそしむ人々に対して、容赦なく断固対処しなければならない」(同『求是』)という表現がある。これも熾烈な党内闘争を物語っているのではないだろうか。


ところで、既述の如く、今年10月、第20回党大会の開催が予定されている。同大会で、習近平主席が党総書記に三選されれば、習政権は正式に第3期目へ突入する。


けれども、習演説を読む限り、そう簡単に事が運ぶかどうかわからない。なぜなら、依然、手強い「反習近平派」勢力が存在し、「習近平派」と鋭く対峙しているからである。「反習派」は、鄧小平の「改革・開放」路線死守を掲げ、習主席の推し進める「第2文革」を非難している。だからこそ、「習派」としては軍を味方につけ、第20回党大会を乗り切る算段ではないか。


以上のように、中国では、党内闘争のため、今秋まで不安定な政治状況が続くだろう。そこで、習政権は、今まで展開してきた「戦狼外交」をいったん止め、しばらく「衰狼外交」(「死んだふり外交」)に終始する可能性を排除できないのではないだろうか。


トップ写真)中国・習近平国家主席
出典)Photo by Feng Li - Pool/Getty Images


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