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偵察総局元大佐キム・グッソン氏が語る北朝鮮 第1回 その経歴と亡命の動機

Japan In-depth / 2022年1月20日 15時28分

偵察総局元大佐キム・グッソン氏が語る北朝鮮 第1回 その経歴と亡命の動機




朴斗鎮(コリア国際研究所所長)





【まとめ】





・北朝鮮偵察総局の大佐だった脱北者がメディアで語り始めた。





・文在寅政権は金正恩の言いなり。北朝鮮の諜報工作の実態を韓国民に知らせる必要があると決意。





・「兄、弟」と呼び合った張成沢が処刑されるのを見て脱北を決意。金王朝3代で金正恩が最も残虐。





 





北朝鮮の情報機関に30年近く在籍した偵察総局出身の高位脱北者が、韓国で最近注目を集めている。彼の名前はキム・グッソン(仮名)氏だ。彼は韓国国家情報院傘下の国家安保戦略研究院に在籍していたが、2019年に退職し、昨年からメディアに登場し始めた。





メディアに出るようになった動機は、韓国が文在寅大統領時代になってあまりにも金正恩の言いなりになっているために、韓国に深く根をおろした北朝鮮の工作実態を韓国民に知らしめなければならないと痛感したからだという。また北朝鮮住民を1日も早く塗炭の苦しみから救うためにも、韓国を正常な国家にしなければならないと決心したからだとも語った。





昨年10月に、脱北後初めてのインタビューを英国のBBC放送と行い、北朝鮮スパイが、韓国青瓦台(大統領府)で空調技術者として、1994年から6年間潜入していた事実を暴露し、世界を驚かせた。国家情報院はそれを否定したが、キム・グッソン氏からの具体的反論を受け、現在は沈黙している。





キム・グッソン氏が、韓国の様々なメデアとのインタビューで語った主要内容を要約・整理すると、氏の経歴と亡命の動機、偵察総局について、張成沢処刑と金正恩暗殺の背景、対韓工作と対米戦略などであるが、その内容を4回に分けて紹介する。





第1回―キム・グッソン氏の経歴と亡命の動機





1)キム・グッソン氏とは





キム・グッソン氏は、2014年9月に赴任先の中国から家族とともに韓国に亡命した北朝鮮偵察総局の大佐(人民軍では中将クラス)で、5局(対外工作部署)副局長相当の人物だ。





キム・グッソン氏は平壌市江東(カンドン)郡出身で、キム氏の家系は、金日成の父親・金亨稷(キム・ヒョンジク)と関係のあった抗日革命縁故者家庭だという。このような家庭だったため、キム氏は英才養成学校である金星中・高級学校を卒業し、護衛司令部で3年間軍服務をして労働党に入党した。





キム・グッソン氏は、金策工業総合大・電子工学部を卒業した後、人民経済大学と金正日政治軍事大学を出て海外情報担当機関である労働党35号室(5年)と対南(韓国)工作を企画実行する労働党作戦部(10年)、韓国で地下党構築を専門とする労働党対外連絡部(6年)、そしてそれらを統合して2009年に新設された偵察総局(5年)など4つの情報機関に従事した異例の諜報工作員だ。





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