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ペントアップ需要いよいよ現実のものになるか「2022年を占う!」内外経済

Japan In-depth / 2022年1月24日 18時0分

ペントアップ需要いよいよ現実のものになるか「2022年を占う!」内外経済




神津多可思(公益社団法人 日本証券アナリスト協会専務理事)





「神津多可思の金融経済を読む」





【まとめ】





・今年こそ、いよいよこれまで抑圧されていた需要(ペントアップ需要)が出ると期待されている。





・2022年の内外経済の見通しは、ペントアップ需要がいよいよ現実のものとなり、2021年より高い成長を遂げるというもの。





・そうした中、先進国の金融引き締め政策や、エネルギー価格の上昇、中国の動向、米中の政治イベントなどが懸念材料。





 





日本経済を表現する時、「ダイナミックな変動」などという言葉を使わなくなって久しい。そういう日本経済だから、2022年にどうなるかを数字で表現しても、すごく間違えることもない代わりに、占いとしては面白みがなくなりがちだ。特にこのコロナ禍の下では、感染がどうなるか次第なので、経済の本来のメカニズムだけで占うこともできない。2022年もまたそういう年になりそうだ。





■ いよいよ抑圧された需要が出る?





本当は実現するはずの需要が何らかの理由で抑圧されているものを、「ペントアップ(pent-up)需要」と言う。これまでのコロナ禍対応で数々の経済対策が打たれてきたが、その効果も100%出ている訳ではない。消費者があまり移動できなかったのであるから、それも仕方がない。





オミクロン株による感染次第という面もあるが、今年こそは、いよいよこれまでの抑圧されていた需要が出ると期待されている。もっとも、2021年も、最初はもっと急速な回復を予想する向きが多かった。それがずるずると先延ばしになってここまで来ている。それが、いよいよということで、新年度予算の前提となる政府の経済見通しでも、2022年度の実質経済成長の見通しは+ 3.2%と、2021年度の見込み(+ 2.6%)より高い。





しかし、厚生労働省が毎日発表している感染関係の数字をみていると、「前日からのPCR検査陽性者数増÷前日からの検査実施人数増」で計算した限界的な感染比率は、このところ急速に上昇し、かなりの高水準となっている。重症者数がその割に増加していないところがせめてもの救いだ。入院をしなくてはならない人の急増で、医療従事者の方々は再び多忙を極めている。そうした下で、ペントアップ需要の解放も後ずれしてしまうだろう。





■ インフレはどうなるか?





新規感染者数は世界で拡大しているが、そうした中にあっても、インフレ率は過去長い間みなかったほど高まっている。このインフレの背景については、海外で日本より早く現実のものとなったペントアップ需要に対し、供給面が追い付けないからだという説明もなされている。





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