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毅然さ欠く日本のウクライナ危機対応 クリミア併合時の轍踏むな

Japan In-depth / 2022年1月29日 23時0分

岸田首相は22年1月21日のバイデン米大統領とのテレビ会談で、ロシアのいかなる攻撃に対しても強い行動をとることを前提に、他の同盟国、パートナーとも緊密な連携を継続していくことを確認したが、どの程度本気なのか、真意を疑われてもやむをえまい。





ウクライナのコルスンスキー駐日大使は1月26日、東京の外国人特派員協会での記者会見で、岸田首相が2014年のロシアによるクリミア併合の時の外相であったことに言及して、「岸田氏は状況を理解している」「日本は非常に重要な役割を果たすことができる」と今後の動きに期待感をにじませた。大使の望み通りになるかどうか。





■ 制裁同調避ければ国際的な信用は低下





ロシアの侵攻が現実のものとなった時に備えて、アメリカ、欧州各国はすでにさまざまな「強い手段」を検討している。





派兵は除外されているが、金融制裁、軍需品の禁輸、各国の銀行が加入する「SWIFT」(国際銀行間金融通信協会)からのロシア銀行の締め出しなどが検討されている。





SWIFTから排除されれば、ドルやユーロでの外国貿易の決済が不可能となり、対イラン制裁と同様の強い効果をもたらす。ロシアの基幹産業であるエネルギー供給への打撃は計り知れないといわれる。





■ クリミア併合時は実効性のない軽い制裁









▲写真 クリミア首相セルゲイ・アクショーノフ、クリミア国家評議会議長ウラジミール・コンスタンティノフ、ロシア大統領ウラジミール・プーチン、アレクセイ・チャリ セバストポル市長が調印式に臨む モスクワ・クレムリン宮殿 (2014年3月18日) 出典:Photo by Sasha Mordovets/Getty Images





いざとなった時に、日本がこうした効果的な手段に同調することができるのか。





そうした懸念は2014年のクリミア併合時に日本がとった措置を振り返ってみれば、現実味を増すだろう。





当時、日本が欧米に同調して科した制裁は、ロシアへのビザ緩和協議の停止、関係者23人へのビザ発給停止、66個人、16団体の資産凍結、ロシアの主要銀行による新規証券募集、発行の禁止、武器禁輸ーなどだった。





しかし、資産凍結された個人、団体はいずれもウクライナ国内の協力者らに限られロシア要人は含まれなかった。ロシアの金融機関が日本国内で株式を発行するケースはほとんどないから、実害をもたらすことはなかった。





武器禁輸といえば、聞こえはいいが、日本からロシアへの武器輸出はなく、これまたロシアは痛痒を感じなかったろう。





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